いわゆる業界人からお話を聞いて “目からウロコ” だった情報を、読者のみなさんと共有する不定期コラムです。今回は「ディーラーでのクルマの買いかた」を和田ひろさんに指南いただきました。
「クルマを購入するぞ!」と思っている人、必見です…!大手の自動車ディーラーの自動ドアをくぐるときや、在庫の電話を掛けるときは、期待と希望、それに不安でいっぱいですよね。個人経営のクルマ屋には通用しないと思いますが…大手の自動車ディーラーでは通用するかもしれない話をここでお教えしましょう。
ディーラーに行く前に持ち物を確認しましょう。
・現金
・印鑑証明1通(3か月以内のもの)
・実印
これだけは必ず持っていってくださいね。(あとで使います)
それからどんな方法で支払いをするかも事前に考えておくといいでしょう。現金?ディーラーローン?近所の銀行マイカーローン?選択肢はいろいろあります。もし現金で購入するのであれば、購入当日は頭金として100万円ほど、ディーラーローンであれば50万円くらいは必要です。銀行のマイカーローンならば事前審査をして、審査結果が出てからディーラーに行きましょう!
写真はイメージです
ディーラー側の視点から言うと、ぶっちゃけ「月末」です。平日も休日も、月末最終日、しかも17時がいいでしょう。17時というのは(前職の)クライスラーの営業マン時代に絶対の自信を持っていました。17時というのは、18時30分には商談を終えて美味しいご飯が食べられるという時間!これが13時だと、お客様はもう1件行ってみる?の時間…午前中だと夜には現実に戻ってしまう時間…だから17時です!
そして、なるべく電車で行くことをお勧めします。それかあえて近所のコインパーキングに停めていくか、です。営業マンはどんなクルマ乗っているかで、どれくらいの年収があるか、どんな趣味かを勝手に想像します。相手も値段の駆け引きをしてきますしね。歩いていき、クルマ欲しいぞ~!ってアピールするのです!
あなたはどんな営業マンから買いますか?僕は正直に「一番売れていない営業マンはだれ?」と聞いちゃいます。恥ずかしい事や失礼な事ではないですよ、月末の最後の1台、ホワイトボードに花をつけてあげたいですしね。
アンケートはぜひ先に書いてください!ここで買う意思を見せておくとよいですが、嘘はNGです。このアンケートでこちらの情報を書くと、相手も情報をくれますよ。店舗で出されるアイスコーヒーはどんどん飲んでください!何杯でもOKです!賞味期限がありますから営業マンも裏で飲んでいますよ!
クルマを先に見たい気持ちでいっぱいですが、ここは営業マンにリードさせましょう。なぜならクルマを売る営業マンは、社内で営業ロールプレイングやシミュレーションをしていますから、こちらで勝手に動くよりもリードさせると早いですよ~!リアクションも大きくね!良いねぇ~!欲しいなぁ~とか!
クルマを見て、試乗させてもらったところで、ここの所長を紹介して欲しいと申し出ましょう。ココが大切です。営業マンも所長に話を振るときに、所長から「どうだ?売れるのか?HOTか?」と営業マンにたずねるわけです。紹介してもらえたらそのまま同席してもらい、商談を始めます。ここで嫌だという所長であれば、さようなら…帰ります…。まぁそれはないと思いますがね。
所長同席なら話は早くまとまるでしょう。営業マンには値引きやオプション付加などの権限はないですし、所長値引き枠、営業マン値引き枠、額が違います。印鑑証明、実印、現金も机の上に置いて話を進めてください。売れない営業マン、最後の一日、目の前にある印鑑証明と実印と現金、多少の無理をしても所長は決めにかかりますよ、他の営業マンの目もありますからプレッシャーがかかりますね。
あと絶対に言ってはいけないワードもぜひ覚えてください。
・ここの役員を知っている
・他店はもっと値引いてくれた
・なにかサービスして
・ガソリンは満タンね
このワードはお互いにとって良い商談になりません。逆に「なにかお手伝いできることはありますか?」の余裕を見せるくらいがいいでしょう。
・車庫証明の提出はこちらでいきましょうか?
・納車はこちらで営業所に取りに来ますよ
こんな感じの方には、逆にお迎えに参りましょう!となることもあります。
でも、クライスラーの営業マン時代の印象としては「値引き値引き!」というかたのクルマって意外にも壊れちゃうのです…。あなたに任せるよ!って言っていただくと壊れないのが不思議でしたね~!逆に値引き交渉がないと「値引きしなくていいの?」って聞いてしまうくらいでした。
このように、クルマを買うタイミングにちょっと気を遣うだけで、お互いにとっていい商談になるでしょう。ぜひいい買い物をしてくださいね。
JEEP CAFE TOKYO 和田 裕之 さん
JEEP CAFE TOKYO
住所:東京都江東区有明1-4-20-615
直通電話:070-5593-5777
代表電話:03-6271-0707
営業時間:10時~20時(水曜定休、完全予約制)
アメパトでおなじみのJEEP CAFE TOKYO、和田ひろさんはとても気さくな兄貴的存在です。クライスラーの営業マン時代に打ち立てた“月間販売台数最高記録”と“自動車保険最多獲得記録”はいまだに破られていないというトップセールスだったそうですが、なんといっても「お客様にとって不利益になることは遠慮なくNOを言える(今は買わない方がいいと言える)」というスタンスがあるからこそ信頼が厚いのでしょう。お話をありがとうございました!
2016年7月からスタートしたエリアアグネスでは、カッコいいクルマやバイクの写真から、モータースポーツ、日常のカーライフまでさまざまな話題をお送りしています。編集部とは言いましたが、編集長不在、部員は1名です(笑)