“第25回GAIKINDOインドネシア国際オートショー(以下インドネシアショー)”が、首都ジャカルタ近郊の振興開発地域となるBSDシティにある、ICEというコンベンションセンターで開催された。新しいこのコンベンションセンターでの開催は3回目を迎えている。
インドネシアという市場はASEAN地域最大の規模を持つと言われているが、かなり特異なマーケットを構成している。まずは日本車の販売シェアが99%とほぼ独占状態に近いということ。そして政府のLCGC(ローコストグリーンカー)政策(部品調達率はボディサイズなど一定基準を満たした燃費性能の良い低価格車について減税することで普及促進させる政策)などもあり、コンパクトカーが販売の主力となり、しかもハッチバックとセダンでは、セダンのほうが税金は高くなっているので、圧倒的にハッチバックが多い。そのため世界市場では大衆車として愛用されているカローラセダンもここインドネシアでは高級車の部類に入ってしまうのである。
今回のインドネシアショー会場を取材していると、HEV(ハイブリッド)やPHEV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)などの展示が目立っていた。
2年ほど前に聞いたところでは、“欧州メーカーがクリーンディーゼルの優遇政策などを、インドネシア政府に働きかけているようだ”と聞いていたが、当のドイツブランドであるメルセデスベンツはEクラスのPHEVを、BMWはi3を展示していた。
日本勢でもトヨタはC-HRのHEVをはじめ、アルファードHEVやプリウスのカットモデルなどを展示、日産は日本でも好評のレンジエクステンダーEVのノートeパワーを出品、スズキは新興国向けMPV“エルティガ”のディーゼルHEVを展示していた。さらに商用車ブースでは三菱ふそうが“eキャンター・プロトタイプ(EV)”を展示していた。
どうやらインドネシア政府が、HEV、PHEV、EVなどへのインセンティブを与える政策を検討中との情報があり、このような展示内容になったという話も聞かれた。
日本での情報が入っているのか、プレスデーにはノートeパワーには終日プレス関係者が展示車を取り囲む大人気となっていた。ただ翌日の一般公開日ではひっそりとしていたので、業界関係者と一般消費者との間には、HEVやPHEV、EVへの関心度に結構な温度差があることも強く感じた。
日産ブースの一番目立つところに展示されていたノートeパワー。
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1967年北海道生まれ。新車ディーラーセールスマン、新車購入情報誌編集長などを経て現在フリー編集記者として活躍中。趣味は路線バスの“乗りバス”とアメリカ旅行そしてネコウォッチング。