写真はインドネシアショーの商用車展示コーナーに展示してあった、あるメーカーのバス車両の内部でのひとコマ。家庭やオフィスなどでよく見かけるゴミ箱が置いてあった。ショーで展示しているから特別に置いてあるのかなあと思うなかれ、ジャカルタ市内を営業運行している路線バスにも同じタイプのゴミ箱が置かれているのである。
ショー会場のバス展示車の車内に置いてあったゴミ箱。同じようなものが営業運行しているバス車内にも置いてあった。
筆者もジャカルタ市内中心部の専用レーンを走り、専用プラットフォームから乗降する、“トランスジャカルタ”というバス輸送システムの車内で、乗客がこのゴミ箱を実際活用しているところを見かけたことがある。公共交通機関の車内がきれいで有名な日本だが、日本の路線バスでゴミ箱が置かれているのは見かけたことがない。
基本的には専用バスレーンを走れば、交通渋滞による遅延などが発生しないと思われるが、トランスジャカルタは一部で一般車両の道路を通るので結果的に渋滞の影響を受けてしまうのが、いかにもインドネシアらしいところ。
筆者はブロックMというところのバスターミナルとコタ駅の間を結ぶ路線をよく使うのだが、始発バス停では、先頭に並ぶひとは、プラットフォームに入ってくるバス車両ギリギリの距離までに立つのが一般的。バスがこないときにバランスを崩すとそのままプラットフォーム下に転落するリスクもある。また連節バスも走っているのだが、一部バス停ではプラットフォームの長さが連節対応しておらず、前半部分でしか乗り降りできないのに、しかもプラットフフォームのないのに、後ろ半分の車両のドアも開いてしまうという、なかなかスリリングなことも平気で行われている。まるまる1台女性専用車というものも走っている。
写真は発着バス停のひとつ、ブロックMバス停に進入してきた、スカニアシャシーを使ったトランスジャカルタの連節バス車両。
1967年北海道生まれ。新車ディーラーセールスマン、新車購入情報誌編集長などを経て現在フリー編集記者として活躍中。趣味は路線バスの“乗りバス”とアメリカ旅行そしてネコウォッチング。