写真はインドネシアショーの用品関連の展示スペースでのひとコマ。自動車整備関連機器や、ワックスなど洗車用品、タイヤなどなど、その多くは自動車関連用品のメーカーなどがブースを構えるのだが、そのなかに混じってかばん屋さんが数軒店を出していた。ミニカーショップや冷蔵庫によくつけるマグネットのアクセサリー専門店なども出店していた。
用品ブース以外では、会場のコンコースにはショー会場のあるBSDシティ地区を開発した業者を含み、周辺の地域を開発しているディベロッパー数社がブースを構え、高級タワーマンションの模型などを飾り、マンション販売や開発への投資を募っていたようだ。
もうひとつのインドネシアの自動車ショーとなるIIMS(インドネシア国際モーターショー/今回取材したのはGIIAS:GAIKINDOインドネシア国際オートショー)では、ミニカーショップが多数店を出しているのだが、そのうちひとつの店が“トヨタ・アヴァンザ”など、インドネシアもしくはASEAN専売車のような車種まで取り揃えるマニアックな店があり、筆者も会場を訪れてはよく買い物をしている。
ASEANなどの新興国での自動車ショーは、やはりその来場者の多くは富裕層となる。そして富裕層が一箇所に多数集まる機会というのはそうはないので、それを商機と考えて自動車関連業種以外も積極的に出店するのではないかと筆者は考える。狙いはともかく、異業種のブースなどもある“ごちゃ混ぜ感”はいかにもアジアらしく、そしてお祭り気分を高揚させてくれるので、好感を持っていつも見ている。
聞いた話では、中国のかなり奥の内陸部でのモーターショーでは、完成車などの展示よりは、飲食店なども含めた異業種の出店のほうが多く、文字通り“お祭り気分”いっぱいのショーになっているとのことであった。いまでは中国だけでなく、世界でも有数の注目度を誇る隔年開催の北京モーターショーの会場でも、過去にはお茶屋さんが、お茶を試飲してもらいながらお茶の葉を売るブースを出しており、結構有名だったとの話も聞いている。
近年その情報発信力の低下もあり、世界のモーターショーのなかで存在感が下がっている東京モーターショー。海外ブランド出展の減少傾向が続いているのなら、思い切って中古車専業店や、自動車博物館などに出展してもらったり、さらにはASEANのショーのように、異業種の出展も積極的に行い、お祭りムードを盛り上げてみてはいかがだろうか。とにかく日本国内ですら、往時の勢いに比べれば確実に失いつつある存在感を取り戻すことを優先に考えたほうがいいのではなかろうか。
1967年北海道生まれ。新車ディーラーセールスマン、新車購入情報誌編集長などを経て現在フリー編集記者として活躍中。趣味は路線バスの“乗りバス”とアメリカ旅行そしてネコウォッチング。