たまには中間展望ってやつを、やってみましょうかね? それもスーパーFJの。そんなもん、今どきモータースポーツ専門誌でもWEBでもやりませんが、あえて(笑)。何てったって、個人的にいちばん好きなカテゴリーです。少しは注目していただきたい。カート出身の、メーカー系のレーシングスクールを受けて、さらにスカラシップを獲得してFIA-F4に直に行けるドライバーはエリート! 実際すごくて、今後の期待もかかるんだけど、そうじゃない雑草たちが争っているという。で、そんなスーパーFJを勝ち上がって、FIA-F4に挑み、そのままステップアップしてくれるのが私の理想ですからね。
まず見てきたばっかりのところで、岡山シリーズから。ここは6戦中4戦を終了。開幕4連勝を飾っているのが岡本大地選手です。19歳になったばかり。フル参戦は今年からなんですが、いきなり頭角を現した感じはありますね。先行逃げ切りのイメージがあるから、バトルのうまさはどうかっていうのはありますけど、スポットで参戦した鈴鹿シリーズの第3戦でもポールを奪って、いったん抜かれながらも逆転しているから、そのあたりも問題ないかも。こないだの2連戦で、ひょっとしたら早々とチャンピオン決定か、とも思ったんですが、チームメイトの大島和也選手も2位、2位、3位と来て、第4戦は4位で表彰台を逃しちゃったけど、しぶとく続いて岡本選手の戴冠を阻止しています。
岡本大地選手
チャンピオン候補は岡本選手と大島選手だけになっちゃいましたね、もうすでに。第2戦までランキング3位だった瀬尾俊朗選手は、第3戦からの連戦でポイントが獲れなかったのが痛い。5位に陥落して、山内飛侑選手と吉田宣弘選手に割って入られています。
続いて紹介するのは、岡本選手が第3戦を制した鈴鹿シリーズ。今年、5戦だけなんですね、なんか物足りないような気がしますが、3戦終わってウィナーは3人。第1戦を山内選手が、第2戦を昨年の日本一決定戦でレグ1ポールを奪い、「思い出作りに成功」と言われた鈴木智之選手が制しています。ここは今年唯一まだ見ていないので、あまり語れませんけど、9月10日の第4戦は行きますから、その後にでも詳しく。今年の日本一決定戦の舞台ということもあり、常時20台オーバー! 激戦区から最初に抜け出してくるのは、誰なんでしょう? ポイントリーダーは、まだ一度も表彰台を逃していない山内選手で、2位が鈴木選手で、3位が吉田選手。そして第1戦ポールの名取鉄平選手が4位につけています。
山内飛侑選手
オートポリスも全5戦で、まだ2戦を終えただけ。第1戦を2015年のチャンピオン、川地欽也選手が制して順調な滑り出しを見せますが、第2戦は予選5番手と低迷。そのレースでは、昨年のチャンピオンの吉元陵選手がデビューしたてのウエスト17Jでポールポジションを奪いましたが、早々にトップを奪ったのはベテランの大塚隆一郎選手。FJ1600の時代に活躍していたドライバーで、近年はスーパー耐久などツーリングカーレースに参戦。スーパーFJにはインストラクターとして携わっていましたが、ライセンス上級申請のために出場して、まさに昔取った杵柄といったところですね。ちなみに吉元選手は、中島功選手に次ぐ3位でした。
ランキングトップは第2戦を6位の川地選手で、第1戦で2位の岡井貴経選手が3ポイント差のランキング2位。さらに1ポイント差で中村玄選手が追いかけます。九州はちょっと年齢層が高めで、スーパーFJに限らず全体的に。若手の登場を待ちたいところですが、生きのいいのは本州に行っちゃうし……。ちょっと微妙なところです。
続いては……といきたいところですが、もう微妙な文字数になってしまいました。というわけで東日本編は、改めて紹介することとしましょう。余談ですが、私のスーパーFJ取材予定は、これから2週間空きますが、そのあとは鈴鹿、富士、岡山、SUGOと4週続きます。楽しみ!
SPECIAL THANKS! YUKIO YOSHIMI
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。