8/27(日)に開催されたハイパーミーティング(岡山国際サーキット)の疲れが抜けないまま、Jアラートの警報で早朝から飛び起き、日本上空を北朝鮮のロケット弾が通過して無事なことを確認するも、なんだか物騒なこの頃…身体が芯から休まらないよ!
そもそも8月も後半になって猛暑続き? この天候の異常さも疲れの一因なんだけどね。ホントはエビス戦の時に夏らしい猛暑日が続いていれば…もっと平穏無事に大会は終了したものの、終わってからなんやかんやとこれまた騒々しいのだな(笑)。ということで、D1エビスのお話と、9月の予定なんぞを…。
前回はエビス戦で起きたタイヤ内圧問題について書きましたが、今週はまたまた皆さんが大好きな?(笑)DOSS(D1審査計測機械)問題です。
今大会のDOSS設定が走りの見た目とだいぶ違って、今までのエビス南のカッコいいとされている走りが評価されず、カッコ悪い失敗の走りでも良い得点が出ていたのでは? とか、こんなんでは見ている方や走っているドライバーは興醒めなのでは? と。確かに今回の設定は晴れで(良い走りが良い得点が出るように)考えられたもので、ウエットでの得点の出かたに少し配慮が足りなかったとD1側も認めています。
完全なドライなら今まで通りの走りでも高得点は出るのですが…飛び出しの第1セクターだけはチョット設定が厳しかったようで、斎藤太吾選手の単走ファイナルの1本目の飛び出し方は見た目では物凄いカッコ良かったのですが、計測上平均角度が6度。つまりセクター内ではほとんど角度がなかったのです。速度が非常に速かったため、これがもし10度を越えているとそれなりに得点が付き、合計99点ぐらいは出ていたのだと思います。その辺りはダイゴ選手も理解していて、2本目はキッチリ得点を出す走りに変えて来ました(それでも98.77)。レベルの高いところで理解している人はギリギリを狙ってキッチリ得点を出してきます。そもそも人間の眼で6度と10度の角度差の見分けがつけられないかもしれません…。
またその時の川畑選手は1本目に狙って来て98.09で8位入り。しかしこれはセクター3が完全にV字状態になってしまい減速&角度変化が激しく、25点満点のところがたったの22点。セクター3を22点台で予選を突破した人はもちろんいません。川畑選手の狙いは速いスピードからセクター2を一気に振り出し、このとき“セクター2がなんと31点(満点は30点)”、そしてそのままの角度で全開でセクター3を回っていく。確かに我々が考えたDOSSの設定の最高の走りそのものといった感じになりそうだったのですが…ちょっと角度が付き過ぎ旋回せずV字状態になってしまいました。つまりどこかのセクターが凄い良くても、次のセクターにつながらなくては得点が出ないという完全無欠のDOSS野郎な訳なのです(笑)。
ドライだけなら問題が無かったものの、ウエットでの得点の低い走り(96~97点台)ですとセクター2を失敗しようが、わざと狙って二度ぶりしようが、得点が出てしまうところはホントにいただけなかったですね。これは実は審判団側もわかっていたことなので、せめて失敗の走りは得点からマイナス出来るようにしておくべきたったのかなと。今のシステム上、ペナルティーの外付けでマイナス出来るだけで、審判員が直接得点をマイナスすることはできないことが問題だったのかな? と思っています。
この辺りは早急に対策されて次戦からシステム変更されるのだと思います。同じ過ちをしないように改善出来るところは少しずつしているようなのですが…いつも言いますがDOSSは単走のみ。あくまでも単走はふるいにかけるものであって、D1のホントの面白さはやはり追走です。
今回も特に日曜日の追走は相当興奮しましたし面白かったと思います。また追走は2人の審判員が主観でランク判定しています。昔ほど追走での判定に問題は出てませんし、観に来て頂いたファンの方も追走を見終えて満足して帰って頂いている方がホントに沢山いると思っています。それなのに終わってしばらくすると“D1はDOSSだからつまらない”となる…なんででしょうね?(笑) DOSSをしっかり攻略して、そして追走で良い走りをしていい結果を出した人から“D1はDOSSだからつまらない”なんて一言も聞いたことありませんよ! 逆に勝てなくて悔し涙を流すぐらい勝ちたくて勝ちたくて必死に取り組んでいる人が何人もいることを忘れないでください!!そういう人はDOSSに文句はつけて来ません、出来なかった自分を責めて、そして次に向けて頑張ると奮い立てているのです。
もちろんD1側もまだまだ足りないところは盛りだくさん、しかしレベルの高いドライバーやマシーンに恥じない様に努力をし続けているのも事実ですし、“世界No.1ドリフト”ということを本気で目指しているのです。
さて、そんな課題多きD1も9月以降は相当ヤバいことになります。まず9/3はD1中国シリーズ第3戦合肥(HEFEI)です。一週間おいて9/17にロシアのウラジオストクでのPRIMRING GP2017。さらに一週間おいて10/1にFIAのインターコンチネンタルドリフティングカップがあり、その翌週10/8にはいよいよD1-GPファイナル最終戦&EXがあるのです。
ココまで連続してD1があることはチョット今までになかったのでスタッフも大変ですが、もしなにかあったら? チームや選手は相当大変なことに…。とにかく全ての戦いが無事に終わることを祈るばかりなのと、お願いですからロケット弾うつのやめてくれますか? 怒濤のD1 9月決戦をそれぞれニコ生でもお楽しみください!!
D1グランプリを始めとするクルマ系イベントのMCでおなじみ、愛称は「マナピー(マナP)」。元レーシングドライバー。引退後はMC業やレビュアー業だけではなく、バイナルグラフィック専門会社「MSR」代表としてデザイン業を行っている。1963年3月20日生まれ、東京世田谷区出身、途中2年間ブラジルサンパウロ在住そして現在、山梨県河口湖在住。