先週末はウチのホントすぐそばで行われるビッグトーナメント”フジサンケイクラッシック”見てました! あっ、男子プロゴルフです。何が面白いって、とにかく難コースなので4日間のスコアメイクが難しいところです。海外のクラッシックトーナメント並のラフの長さとか、国内トーナメントいち長い520ヤードもあるPAR4、ウォーターハザード(池)のすぐ脇に立てたピン、これまた海外みたいな一度入れたら二度と出られなくなりそうなふかーいポッドバンカーも追加されてました。
そんなものだから争いは普段とは全く違う-3あたりの攻防。結局アンダーパーも5人しかいなかったかな? とはいえ、そこはプロなので全員技術的にはアンダーでまわれるはず。ところがそこがゴルフの面白いところで、何かひとつのキッカケでスコアが良くなったり、また逆にあれよあれよと崩れていく。精神的なプレッシャーから体力も相当消耗するらしい。
よく言われる “心・技・体” 。ゴルフは何が一番重要か? 青木プロは”体・技・心” だという。とにもかくにもまずは身体。身体作りは当たり前で日頃からしっかりとトレーニング&ケアすべしと言っている。だからこそ青木プロもいまだ生涯現役。トーナメントに出ているのですよ!
そして技術。とにかくプロとしてのあらゆる技術、そして最新の道具を使いこなす技術を身につけよと。それをもってして最後はどんな状況下でも無心になれる”心”。とはいえ、プレーを見ている限りではやはり “心” が一番大切で、コントロールが難しそうだ。
プレッシャーをプラスの力に変えてのびのびとプレーするにはやはり失敗は禁物。特にほとんどそれは自分のせいであるから、自分にいらだってしまう。失敗しても次のホールまでに切り替えが出来るか? 冷静沈着にいつも通りのプレーが出来るのか? 答えは…なかなか出来ないのですよ! だからゴルフは面白いのです。
ホントにうまい人なら毎週優勝して賞金王。そしてそれが何年も続くはず…なのですが、そんなのはほんのわずか。世界ならチョット前のタイガーウッズ。そして日本でも数年前に片山晋呉プロがそうだったりもしました。でもとにかくゴルフで連戦連勝する人ってほとんどないのですよ。だから”心”が一番大事なのかなと。
で、何が言いたいかというと、ドリフト競技における大事な順番は? やはり”体・技・心”? とはいえレースと違って”体”は…どうなのでしょうか? 皆さんもご存知のように、アスリートのように鍛えている人は…ほとんどなし(笑)。逆に「ちょっとその体型やばいんじゃないの?」的な人が多いかな? なのでドリフトの場合はこの”体”はボディー→クルマ→マシーンと考えましょうか? もしくは体(タイ)だけにタイヤでもいいかな(笑)。
とするとどうでしょう”体・技・心”となるかな? 体と技が揃っていればあとはその時の気持ちひとつ。プレッシャーに負けて負の方向となりいつもの力が発揮出来なかった? ということはあると思います。とにかくドリフト競技は一発勝負。単走でも一発で決めなくてはなりませんし、追走も相手に対して一発で仕掛けて決めなくてはなりません。そこに変な迷いや躊躇は禁物! 根拠の無い自信を元に思いっきりいくしかないのですが…そこがなかなかそう簡単なものではありません。
今、一人の選手が完全にスランプに陥ってます。悪循環でなにをやっても良い方向にいかない? 体と技はかわらないのでそれをコントロールする心が乱れているのですね。クルマで言うなら、本来1,000psあるはずなのにコンピューターの調子悪くて500psも出てない感じかな? どうやら舞洲戦での大きなクラッシュ(畑中選手に乗り上げて2台共に大クラッシュ)が原因のはじまり? その後のエビス戦も実は絶対壊してはならない状況でした(翌日にFIAの発表会でマシーンを展示する為)。
ムチャせずに勝ち上がる。絶体命令でしたからなにかもうひとつ吹っ切れた走りは出てませんでした。結果は何とも中途半端な14位と7位。これでシリーズランクも4位まで下げてしまいました。
しかし自分のやりたいように出来なかったからと言って結果が出ないのでは本物のプロではありません。絶対壊さないという指示に従ってでもある程度の成績はキッチリ残す。それが課せられた使命です。そしてそれが頭ではわかっていたからこそ何か中途半端な状態の走りとなってしまったのでしょう。
そんな状態は中国D1シリーズ(Rd.3合肥)でも続いてしまいました。それこそ自分のチームで自分のクルマなのでやりたいように出来るはずだったのですが…何と予選落ち!!単走で2本ともやらかしたそうです。もうこうなると完全にスランプです。なにをやっても上手くいかない? そして気持ちが乗ってこないので走りたくない? そんな負の連鎖に陥ります。
しかし今月はそんなことを言ってられないD1集中月間です(笑)。すぐに来週がロシアでの”D1 PRIMRING GP” です。そしてまたそれが絶対壊す訳にはいかない1戦。なにしろ終わり次第すぐに輸送されて月末の”FIA IDC”にギリギリ。修理する暇はありません。そしてすぐ翌週がD1シリーズ最終戦です。
さぁ、追い込まれます。どう打開するのでしょうか? 何がキッカケになるのでしょうか? ヘタするとどん底のボロボロもあるかもしれません。ロシアで優勝して吹っ切れるかもしれません。今の状態は紙一重です。とにかくまわりは”体”を万全の状態で用意します。技は急には衰えません。とすればあとはとにかく心のみ。
どこでどうかわるのか? これからの3戦で今後の世界が相当変わってくると思います。世界一になるのか? もしくは…? オイラは世界一になって欲しいと思っています。そしてそれが出来るはずとも思っています。プロの世界に来年の保証はありません。見届けましょう!! ドリフトを始めて初めて直面した大スランプをどう打破するのか? 川畑真人の心にかかっているのです…。
D1グランプリを始めとするクルマ系イベントのMCでおなじみ、愛称は「マナピー(マナP)」。元レーシングドライバー。引退後はMC業やレビュアー業だけではなく、バイナルグラフィック専門会社「MSR」代表としてデザイン業を行っている。1963年3月20日生まれ、東京世田谷区出身、途中2年間ブラジルサンパウロ在住そして現在、山梨県河口湖在住。