フランクフルトショーは隔年開催となり、その間には商用車ショーが開催されている。そのため乗用車専用のショーとなるのだが、会場内には“はたらくクルマ”が多数展示してある。
今回はメルセデスベンツが“はたらくクルマ”の展示に熱心で、路線バスのコンセプトモデルや、スマートのEVポリスカー、そして屋外にはVクラスとEクラスセダンのタクシー車両が展示されていた。“はたらくクルマ”の展示に熱心なのは、今回のショーに合わせて、MPVのVクラスの新型や、ピックアップトラック“Xクラス”のショーデビューがあったからなのかもしれない。ただし、メルセデスベンツは筆者の記憶によれば、過去にもプレスデーからタクシー車両をブースの片隅にそっと展示していたりはしていた。
もともと2日間のプレスデーが終わり、3日目の業界招待日には展示車の入れ替えを行い、“はたらくクルマ”が置かれることがあった。
ほかにはBMWが5シリーズツーリングベースのポリスカーを展示していた。会場警備にきていた、現役のお巡りさん数人が興味深げに展示車を見ていた。ユーザーであるお巡りさんの評判は上々のようであった。
さらには、ドイツ軍ブースも隠れた人気スポット。戦車はさすがにないが、今回も大型軍用車が3台展示されていた。
そして大御所ともいえるのが、新型ロンドンタクシーの展示である。一般向けで考えれば、おそらくワールドプレミアといってもいいだろう。ロンドンタクシーのメーカーが中国の吉利グループ傘下に入って初めてのニューモデルとなる。パワーユニットは電気モーターとなるピュアEV。ロンドンタクシーなのに左ハンドル車が展示してあったのは、中国など、英国以外の需要も見込んでいるのかもしれない。
日本でも東京モーターショーの会場に、トヨタの新型タクシー専用車が展示予定とされている。しかしこちらのパワーユニットはLPガスエンジンをメインとしたハイブリッドとなるので、先進度という点では本家ロンドンタクシーがリードしているともいえよう。
写真は屋外に展示されていた、メルセデスベンツのタクシー車両。
新型ロンドンタクシーは、“ニュー・モビリティ・ワールド”というコーナーに展示されていた(写真はその入口のような場所に置いてあったもの)。
1967年北海道生まれ。新車ディーラーセールスマン、新車購入情報誌編集長などを経て現在フリー編集記者として活躍中。趣味は路線バスの“乗りバス”とアメリカ旅行そしてネコウォッチング。