今回のフランクフルトショーで話題となったのは、日系ブランドだけでも日産とインフィニティそして三菱が出展を行わなかったなど、出展しなかったブランドが目立っていたことである。
日産に関してはルノー/日産グループの総合判断があったとされているが、世界でも最大規模とされるモーターショーへ出展しない大英断には賛否が分かれている。
会場で聞いた話では、出展したブランドのなかでも、スバルとマツダは日本のヘッドクォーターは絡まず、現地法人のみでの出展になっていたとのことであった。しかし、スバルはプレスカンファレンスを行い、新型インプレッサの欧州プレミアを発表していた。カンファレンスに集まったメディア関係者も多く、その後も多くのメディア関係者がブースを訪れていた。
マツダはプレスカンファレンスも行っていないのに、ブースの前を通るたびに、多くのメディア関係者などが訪れているのには驚かされた。プレスカンファレンスも行い、ニューモデルも発表していた、インド系韓国ブランドのサンヨンなどは、カンファレンスが終わるとブースはガラガラになっていた。
ある意味市販車を並べるだけで、プレスデーにブースが賑わっているのは、欧州市場でのマツダブランドの人気の高さをわかりやすく現わしているなあと感じた。
プレスカンファレンスも行わないのに、意外なほどひとが集まっていたマツダブース。
昔から日系ブランドは欧州市場について、それほど得意ではなく、そうこうしているうちにヒュンダイや起亜などの韓国勢があっという間に、日系ブランドを軽く凌ぐ勢いで欧州で存在感を高めてしまった。
日系ブランドは北米市場偏重傾向が強いので…、等と考えるが韓国系も北米市場は重視している。ただ同じモデルでも車名を変えたり、作りわけやラインナップ構成が日系ブランドより巧みだったといえるのかもしれない。
そのなかでマツダは筆者が学生時代(30年ほど前)のころから欧州市場で高い評価を受けている数少ない日系ブランド。ただ日本ではマツダのクルマ造りの姿勢を支持すると、“マニア”的な目線で見られたりもすることがある。このあたりの違いが欧州とのクルマ文化の奥深さの違いを現わしているともいえるのかもしれない。
1967年北海道生まれ。新車ディーラーセールスマン、新車購入情報誌編集長などを経て現在フリー編集記者として活躍中。趣味は路線バスの“乗りバス”とアメリカ旅行そしてネコウォッチング。