ドイツ系ブランドと言うと思い出すのは、メルセデスベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェなどとなるが、そのほかにあるのがオペル。
オペルは1863年に設立された歴史あるブランドだが、1929年にすでにGM(ゼネラルモーターズ)の子会社となっていた。このオペルだが、2017年3月にGM がフランスPSAグループへ22億ユーロで譲渡することで合意したことを発表した。
アメリカ系グループから、ドイツのお隣フランス系ブランドになったオペルだが、親会社の国が身近になったことで何やら微妙な気まずさがあるようなイメージがブースから伝わってきた(実際ルノーと中国チェリー汽車の間にブースがあったのも実に微妙に思えた)。
GMグループ時代には、オペル車のメカニカルコンポーネントの多くは、GMブランド車にも共用され、というよりここ数年のGMの乗用車は“オペル臭さ”が目立つほど、オペルのメカが多用されていた。そのためアメリカ車らしさは薄らいだが、その分品質は飛躍的に向上した。つまり、ある意味“オペルさまさま”という表現もけっして間違いではなかったのである。
ただPSAグループへ譲渡されると、ほとんどの車種はプジョーやシトロエンブランド車と被ることになる。譲渡後もブランドアイデンティティを活用していくというが、1925年にオペルは英国ボクスホールを買収している。そしてここ数十年はボクスホール車のラインナップは、ほぼすべてがオペル車のバッジエンジニアリングモデルとなってしまった。
PSA譲渡後にオペル車も気がつくとPSA車のバッジエンジニアリングモデルにすべてなることはなさそうだが、相互補完状態になることはほぼ間違いないようで、すでにその動きは始まっている。
展示車が少なめで、やや間延び状態だったオペルブース。
1967年北海道生まれ。新車ディーラーセールスマン、新車購入情報誌編集長などを経て現在フリー編集記者として活躍中。趣味は路線バスの“乗りバス”とアメリカ旅行そしてネコウォッチング。