各地のシリーズを紹介する、このコーナー。せっかく行ってきたばかりなので、SUGOチャンピオンカップについて紹介しましょう。「SUGOのレースって言ったら、ビクトリーカップじゃなかったっけ?」って思う人も少なくないかもですね。まぁ、それは昔の話で、私も気づいたら、こうなっていたという……。
SUGOって言えば、名物は急勾配の最終コーナー。
昔って言えば、宮城県は唯一ふたつ公認サーキットの存在する県で、もうひとつは仙台ハイランドレースウェイ。最後は細々とレースを開催していたんですけど、一時はF3とかJTCまでやっていて。ふたつあるっていうことは、それだけ仙台に行く機会も多くて、あの頃は私も、いろんな意味で元気でした(笑)。そんなハイランドも閉鎖されたのが2014年。去年でサーキット、遊園地に続き、ゴルフ場も閉鎖されたんだとか。
SUGOもハイランドも、シリーズとしては別々に開催されていたけど、やっているカテゴリーはほぼ共通だったので、当時は「JMRC東北レースシリーズ」とも言われていましたね。まぁ、今じゃ信じられないぐらいワンメイクレースが東北にもいっぱいあり、関東のシリーズにも負けないぐらい盛り上がっていたんですよ。FJ1600なんて、ある意味、筑波のサブシリーズみたいな感じになっていて、東北で修行したりとかね。それはメーカー系ワンメイクも一緒で、シビック東北シリーズとか、ミラージュ東北とか、なんていうか狙い目だって、わざわざ遠征するドライバー、チームも少なくなかったんです。
しかしながら、現状はというとSUGOでだけレースが行われ、当時の勢いは正直言ってありません。いかに当時、情熱を持ってレースを主催、運営していた人がいたか、ってことなんですけどね。その件に関しては、また別の機会に。
こないだのレースは、86/BRZレースがあったから、トータルでの台数もそれなりでしたが、基本は年に一度の開催ですからね。SUGOチャンピオンカップのオリジナルカテゴリーは、スーパーFJとネッツカップ ヴィッツレース東北シリーズ。それと2014年からナンバーつきのロードスターによる、JMRC東北Moty’s杯ロードスターカップ。これは富士チャンピオンレースと共通規定です。それに今年からロードスターパーティレースIIIの北日本シリーズが設けられ、ロードスターは4代すべて出られるようになりました。それと、もてぎともまたがってシリーズが設けられているFIT 1.5チャレンジカップ。で、これだけ。あとはJAF-F4や各種ワンメイクレースが、レースごと組み合わされるという感じです。
一番人気はやっぱりヴィッツ東北ですね。
本当の話、86/BRZレースでもない限り、パドックも閑散としているんですが、オリジナルカテゴリーもエントリーは少ないものの、情熱を持って参加している人ばかり、って印象は非常に強いんですね。なんていうのかな、「自分たちが頑張っていれば、いつかみんな魅力に気づいてくれるはず」って感じがするのが好印象。でも、なかなか報われませんが……。まったく独自のカテゴリーではないので、もっと遠征組が増えたらいいのにな、とは思います。実際、狙い目だと思うもの。あんまりいい言い方じゃないかもしれないけど、少ない台数でも表彰台に一度でも立つと、すごく自信になると思うんですよ。あそこでシャンパン振れたら嬉しいでしょう〜。
スーパーFJも根強い人気を誇ります。
特に注目してほしいのはロードスターカップで、これはメーカーやサーキットが立ち上げたのではなく、一個人からなんです。小原健一さんっていう富士チャンのロードスターカップにも自ら出ている、宮城でロードスターショップをやっている方が「東北でマツダのワンメイクレースが行われたことがないので、今こういう時代だからこそ始めたい」って。だから、富士チャンとも共通規定なわけなんです。東北にも走行会でロードスターを走らせる人は多いものの、案外エンジンまで手を加えているようなので、ガッツリということにはならなかったけど。
で、このレースには川崎俊英選手ってベテランが鎮座しているんですが、1600のNAロードスターですから、1800のNAやNBを持っている方は、ぜひ挑戦を。少なからぬパワーハンデでしっかり遊んでくれますから(笑)。他のクラスもねぇ、遠征はいかがです? 今年はもう全日程を終えてしまったけど、検討の余地はあると思いますよ。サーキットはかなり走り甲斐がありますし、いつもと違うところを走ると、きっと勉強になると思いますから。
歴代すべてのロードスターがSUGOでも走れます。遠征を待つ!
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。