さて、先週から始まりました「東京モーターショー2017(TMS2017)」へ、さっそく行って来ました!
なんとなく義務感(プレス申請してるしね)もあって初日のプレスデーからまじめに何かを探しに行って参りましたよ!
もちろん、ワタクシの様な昭和世代は、モーターショーと言えばワクワクドキドキしながら見に行ったものです。ここ数年もドキドキはなくともワクワクはやっぱり持ちながら見に行ったものです。
ところが、今年のTMSは事前の情報によると走り系のワクワクする様なコンセプトカーはあまりなく、やはりこのところEU中心に怒濤のごとく押し寄せて来るEVの流れが各メーカーにプレッシヤーを与えているのか? センターステージはほとんどのメーカーがEV、もしくは、モーターを備えたもの(FCEVおよびPHEV)で、ホンマかいな?さすがにEVだけってことはないでしょう!と確認しに行ったところ…ホンマでした(笑)
トヨタ・ホンダに始まって、日産なんか印象としてはリーフしかなかった?それくらいEV祭りでしたよ!別に時代の流れがEVに向かっているということがどうなのか?ということはどうでもいいのです。知らないと思いますが、ワタクシこれでも20年以上も色々なEVを作ったり乗ったり、はたまたレースに出ていたりしました。ワタクシの運転でラップタイムや最高速のレコードも持っていたり…って自慢してもしょうがない話なのでこの辺にしておきますが、とにかく、昔からEV(特にコンバートEV)が好きで、EVアレルギーなんかある訳も無いどころかEVジャンキーぐらいな体質(笑)なものですから、時代がEVになるのはガッテン承知のすけ(言わない?)。むしろ遅すぎるとさえ思っているのですが…何が問題? というか何が気に入らないか?
やっぱりどうも日本のメーカーがいまだEVに前向きになっていないということが垣間見えるからなのです。つまりまだ本気じゃないということかな? しかし世界に対して遅れをとっていると思わせない為にもとにかく体裁は繕う?そんな感じでしょうか?
ちまたではトヨタはEV戦線から遅れをとっているとかささやかれている様ですし、やっとハイブリット推しからPHEV化して来たトヨタにとって、ホントは更に先きのFCEVを何とかしたかったはず(国の予算も相当使ってますからね)。そこまで持って行ければ世界の中で自動車生産TOPメーカーとして君臨し続けられると計画だっていたのでしょう。ところが、どうやら時代の流れがEVを急速に推し薦め始めました。トヨタさんも今すぐにでもEVを作れるどころか、500kmの航続距離を可能にし、200km/h出せるスーパーカーも作れちゃうでしょう。でもすぐ出す訳行かないのですよ! そんなことしたらまず日本の工業の仕組みが大分かわってしまいます。そしてもちろんもう1つはインフラの問題ね!日本はまだまだ節電しなくてはならのですよ!
確かにEV化によってCo2の削減や排ガスの環境問題はクリアするでしょうけど、電気を作る為に火力に頼っているので、これ以上化石燃料を燃やせませんし、原子力発電復活させますか?それじゃーモトノモクアミじゃないですか? この日本国内の経済(生活)に関わる大きな問題、ゆっくりとクリアして行かないとEV推しには出来んのですよ!出来てもあと10年以上掛かりますよね。
でも何か急に海外がEVだ電気だモーターだと騒ぎ出したものですから、エンジン車が悪者?扱いされるみたいになって来た風潮をホントは消すべくTMSではこれからの新世代内燃機(せめてハイブリット)なんかももっともっと出してくれれば良かったのかなと? そもそもヨーロッパメーカーもアメリカのメーカーもまともに燃費&環境型のエンジンを作れなかったことが原因で、日本メーカーだけがハイブリット含め優秀なエンジン搭載したクルマを安価に生産して来たことが世界中から標的にされたのかな?
だからといって、今回のTMSのように従来の自動車メーカーだけではなく、電機メーカーや家電メーカーまでもがクルマ作りに参入してくるような事態になってしまっては、確かに慌ててウチも「EV作りますよー」みたいな姿勢を打ち出すしか無いですものね。
しかし、何の為にWRCに参戦してヨーロッパで認めてもらい、何の為に大金をつぎ込んでルマン24hでハイブリットを研究しながら戦って来たのか? 自動車造りってそんな簡単じゃないんですよ!コンピューターだけいじってて頭の良い人が作り上げたクルマが良いクルマじゃないのですよ!ってもっともっと大々的にTMSで各メーカーは訴えて欲しかったのです。今ではアメリカはデトロイトではなくシリコンバレーでクルマが作られる様になりました。そしてさらにEVだからこそ可能になるAI(自動運転)が今まで以上に注目される様になっています。その流れは止められないでしょう。でもその流れを少しでもゆっくりにしていかないと自動車メーカーは生き残れないのです。特に日本みたいにメーカーが多数ある国は半分以下になることが十分に想像出来ます。つまり、EV推進が自分の首を絞める?
その為の生き残りをかけた内燃機自動車の晩年とその伝統を受け継ぐEVへの変化(進化)を打ち出して行く様なメーカーの訴えが欲しかったのです…
と、くどくど書きましたが、要は運転することが楽しい(カッコいいとか便利とかも含む)EVをメーカー別にしっかりと打ち出して来て欲しかったのです。日産には”リーフニスモコンセプト”、そしてトヨタには”GR86ハイブリット”というのがセンターステージに位置どっていたのですがね。
これからのクルマはもっともっと楽しくなるんだということを強烈に打ち出して欲しかったのですよ〜!!!
そうじゃないとワクワクするTMSはホントに普通のビジネスショーとして、そのうち電気モーターショーになってしまいますぞ!
そう感じさせる違った意味でドキドキワクワクするショーでした…おしまい。
D1グランプリを始めとするクルマ系イベントのMCでおなじみ、愛称は「マナピー(マナP)」。元レーシングドライバー。引退後はMC業やレビュアー業だけではなく、バイナルグラフィック専門会社「MSR」代表としてデザイン業を行っている。1963年3月20日生まれ、東京世田谷区出身、途中2年間ブラジルサンパウロ在住そして現在、山梨県河口湖在住。