この時期だったら、TOKYO AUTO SALONの話題なんでしょうけど、今年は滞在時間が極端に短かったので、あんまり強烈な印象がありませんでした。むしろ、その後のスーパー耐久関連のために行った感じでしたからね。そこでは、いくつか新しい話題も出ましたが、まずコントロールタイヤがピレリから供給されることが正式に発表されました。まぁ、すでにテストも行われているぐらいですから、驚くようなことではありませんけれど。
そして、もうひとつ正式発表されたのが、富士スピードウェイで24時間レースが行われること。これだって、開催を予定とはされていましたから、目新しさはないですけど、私にしてみれば、「本当にやるんだぁ……」って感じです。24時間レースは富士では50年ぶり。さすがに、これは私も見ていませんけれど、日本での24時間レースと言えば、十勝スピードウェイで1994年から2008年までやっていて。「そっか、もう10年も経つんだ」とね。
私はル・マン24時間、行ったことないので、24時間レースと言えば、十勝とドイツのニュルブルクリンクしか取材経験がありません。もちろん十勝は1回目から行っていて、ニュルとどっちが先だったかな、と思って調べたら、ニュルの方は99年なのね、最初に行ったのは。
どっちも初めのうちは、ずっと起きていた記憶があります。レースそのものは24時間ですけど、その前後も起きていますからね、まだ若かったからタフだった(笑)。けど、次第に辛くなって、仮眠とか取るようになったんですけど、そもそも他のプレス仲間は夜、ホテルに戻っちゃったりしてね。「その間、なんかあったら、どうすんだ」と思うから、私は一度も戻ったことないんですが、案外何にも起こらなくてね。起こるとすれば、明け方が多かったような覚えがあります。
まぁ、十勝24時間の最後から10年、当然それだけ歳も取っちゃっているので、衰えているわけですよ、悲しいかな。どういう取材の仕方にするか、正直迷っています。もう完徹なんて無理ですからね。いっそ、初めてホテルに戻ってみようかとも。もっとも、まだ時間は十分ありますので、じっくり考えてみることにします。
ちなみに現代の富士24時間レースは、3〜6名での参加が可能。でも、すごいなぁと思うのは、最初の富士24時間ってふたりで走っているんですよね。ということは、仮眠レベルでの休憩しか許されないわけで。それなのにバンクがあった頃の富士ですから、ホント「どんだけ〜」って感じ。半ば拷問にも近いですよね? 昔の人はすごかった。ホテルに戻るなんて、考えるべきじゃないのかもね。
話は変わって、TOKYO AUTO SALONの2日前。今年も私が所属するJMS/日本モータースポーツ記者会が主催のJMSモータースポーツナイトがありまして、今年のJMSアワードは平川亮選手とニック・キャシディ選手が獲得。特別賞は横浜ゴムに授与されました。で、私がコーナーMCを担当した「期待の若手ドライバー」は「日本一」にこだわり、スーパーFJ日本一決定戦を制した名取鉄平選手、F4日本一決定戦を制した角田裕毅選手、そして名取選手との激戦の末、2位に甘んじましたが、JSSスカラシップを獲得した小倉祥太選手を選出。
3選手とも今年はFIA-F4を戦うことになります。良きライバルとして、激しいバトルを見せてくれることを期待したいですね。この手のレースは、まだ今の段階じゃ誰が出るのか分からないので、なんとも言えないですけど、きっとシリーズの核をなす存在になってくれると思います。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。