今回はあれを書こうか、これを書こうかと、いろいろ迷っていたんですが(嘘、ネタがなくて困っていました)、スーパーGTのGT300でUPGARAGE 86 MCが優勝を飾ったからには、取り上げないわけにはいかんでしょ! 単刀直入、レース後の記者会見のコメントを限りなくノーカットでお届けします。まずは中山友貴選手からです。
僕は本当に初優勝で、個人的にも嬉しいですし、アップガレージの石田代表と、チームを作ってきて、去年までの3年間は坂東マサさんにチームを運営してもらって、そのノウハウをいただいて、今年は新規にチームアップガレージとして参戦しました。今年さらに小林選手に加入してもらって。本当に心強いドライバーで、SRS-Fで同期なんです。
合同テストを2回走った中で、正直クルマのセットアップを一から見直している部分はあって、そこがあんまりうまくいっていなくて開幕戦は苦労するのかな、という思いはあったんですが、さらに予選で天候に振り回されてしまい、9番手に。JAF-GT勢は前にいないと、勝負権がないと思っていたので、かなり複雑な心境でスタートしたんですが、結果的に優勝できたことは非常に嬉しいし、小林選手の走りが良かったから、なんとかなったんだと思います。
やっぱり同じクルマの25号車に僕は負けたくなくて、MC(マザーシャシー)では今年4年目になるんですけど、僕らが前にいたレースでも、いつもトラブルが起きてしまってリザルトを残すことができなかったんです。ですが、自分たちの中でも負けている気がしなくて、それが形として今回は表せられたと思っています。今回まさか優勝できるとは思っていなかったのは、正直なところです。優勝目指してもちろんやっていたんですけど、予選順位が後ろになってしまって……。だけど、僕が前半スティントを担当するからには、とにかくタイヤ無交換のために、どれだけセーブできるかが僕の仕事で、うまく全うできました。
思ったよりトップ隊列との間隔が詰まっていて、トラフィックの起きている状態で、その隊列の中に25号車が見えていたんですね。なので、それが見えていて自分がセーブした状態なら、もしかしたらとは考えていたので、レースは生き物なのでどうなるか分からないな、と内心思いつつ、あとは小林選手がすごくいい走り、オーバーテイクをしてくれて、突き放してくれたタイミングも良かったですし、タイヤも最後まで問題ありませんでしたし、ヨコハマタイヤさんのおかげだとも、チームの総合力の勝利だったとも思っています。
小林選手は運が良ければ……と言いましたが、僕は絶対にチャンピオン獲りたいです! アップガレージのみなさんのためにも、あとは応援してくれるファンもたくさんいますし、僕のスポンサーさんも含めて、皆さんに結果で返したいですし、2013年以来のチャンピオンを。あの時は1回も勝てずにチャンピオンでしたので、やっぱり勝ってチャンピオン獲りたいと思いますし、今回は最高のスタートが切れたと思うので、気を抜かずに次、富士、鈴鹿と続いていきますが、鈴鹿は僕ら得意なサーキットなので、しっかりいい戦いをしてテレビに映ってスポンサーアピールをして、獲りたいと思います!(その2、小林選手編に続きます)
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。