中山選手編に続きまして、小林選手編を! もう、あれこれ言う必要はないですよね、早く読みたいでしょ(笑)。
実は去年の末にすぐ、今年はGT500に乗れないぞ、って話になりまして、今年何乗るか全然決まらなかったんですが、本当に年の瀬ギリギリのところで石田監督に声をかけていただいて、今年アップガレージでドライブさせてもらえることになったんです。ただ、やはり僕を呼んでいただけるということは、裏を返せば勝たないと、また別のドライバーにしちゃうぞ、っていうところも当然あったと思いますし、去年まで中山選手は若手と組んで、なかなか結果が出せないというところで、経験豊富なふたりを揃えるというのは、当然勝ちに行くということに尽きると思っていました。
テストからいろいろやってきて、今まで。これまでの3年間でチームと中山選手でいろいろクルマを作ってきているところが大きくて、僕は合同テスト2回しか走れなかったんですが、テストでは比較的良い感触があったので、昨日の予選もドライでQ2走れればフロントローとか、セカンドローは獲れるんじゃないかと思っていたんですけど、ちょっと雨が降ってしまって9番手で、もうどうしようかなと思っていたんです。
でも、昨日サーキットから帰る途中で石田さんと、中山選手とクルマに乗っていて、タイヤ無交換で行っちゃおうか、って感じのノリで今日の作戦を決めちゃって、それがうまくハマってくれて。BSでもM6の時に無交換はやったことがあるんですが、ヨコハマさんのタイヤでは初めての無交換だったので、正直後半どうなるのか分からなかったんですけど、ただ早い段階で25号車を抜いておかないと、後ろから来る可能性もあったので、できるだけ早く抜きたいと思っていて、うまく抜くことができて。
そのあとは後ろ見ながら走っていたんですが、やはり7号車、ペースのいいクルマが来て一瞬焦ったんですけど、チームはすごいいいクルマを作ってくれて、ヨコハマさんが無交換で走れる、いいタイヤを作ってくれたので、最後の2、3周プッシュしたら7号車と同じぐらいのタイムで危なげなくゴールできました。チームに初優勝をプレゼントできて、本当に良かったと思います。あと、中山選手の初優勝、おめでとうございます!
レースを最初、僕見ていたんですが、けっこう25号車は他のクルマとやり合っていたのに対して、18号車はちょっと間も開けていて、ペースコントロールしているな、というのが見えていました。ダウンフォースが効くクルマなので、ピタリとついているとタイヤを痛めちゃうので、それで間を開けてタイヤにマージンを取って労ってくれているな、というのがあったのに対し、25号車は絶えずバトルをしていたので、そこが勝敗の分かれ目だったのかなって。
毎年どのチームもチャンピオンを狙って戦っていると思うので、今回勝ったからチャンピオンになるとか、勝てなかったからチャンピオンになれないって、どこも思っていないでしょう。今回は勝てたけど、次のレースもしっかりと地に足つけて、前に進んでいかないといけないと思うので、そこはあまり意識はせず、一戦一戦の積み重ねが結果的にチャンピオンになると思うので、しっかりと大事に戦っていければ、運が良ければチャンピオンになれると思います。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。