「FJJの、JJって何?」
あるところで、そんな話が盛り上がったんですけど、そもそも「何じゃ、それ?」と思った人も少なくないのでは。知っている人は知っている、けど知らない人は知らない。そりゃ、そうですよね、ずいぶん前に1年だけ存在したカテゴリーなんですから。だけど、まったくなくなってしまったわけではなく、名称だけがね。
今でいう、JAF-F4のことです、FJJって。1993年に、そんな名称でスタートしたんですが、当時もね、「何だかよく分からない」ってことでF4って名称に、たった1年で改められたんです。でね、JJっていう意味なんですが、どうも意味ないみたいなんですよ。生みの親のひとりである、ウエストレーシングカーズの神谷さんに、いつだったか聞いたんですけど、「分からん」って(笑)。さらに「気がついたら、そうなってた」っていうのは、どういう思惑だったかも不明なんですが、JAFが勝手に命名しちゃったからなのだとか。
FJ1600からのステップアップカテゴリーということもあり、仮称として「FJ-X」ってのがあったのは間違いないんです。でも、その先は不明。きっとFJ-Xからの派生なんでしょうけど、まずXっていうのが、謎っていう意味合いも含んでいるから、敬遠されたと勝手に想像して。それにしても、Jはジュニアの略称でもありますよね? それじゃFJ1600の下。とにもかくにも、FJJじゃ分かりにくいってことで、F4に改められたわけです。F3の下ですからね。
JJが何なのか、もう命名した人はJAFにもいないでしょうし、話は戻って神谷さんでも知らないんですから、永遠の謎なんです。納得いただけたでしょうか? あ、これ以上の真実を知る方、ご連絡お待ちしております(笑)。
それにしても、JAF-F4もいろいろ変化を重ねていったんですが、25年前のクルマが走ろうと思えば、まんま走れるのもすごい。ま、さすがにもう黎明期のクルマは、レースで使われていませんけど、レギュレーション的には可能という。モノコックはアルミで、チタンやカーボンなど高価な素材の使用は禁じられていたのが、近年カーボンモノコックも使用可能になって、エンジンの排気量上限も1850ccから2000ccに。ミッションもHパターンだけじゃなく、シーケンシャルもOKとしたように、古いものでも「もうダメよ」としないあたりに、懐の深さを感じずにはいられません(いや、そうしたい人は多いんだろうなぁ……ボソ)。
今年からフォーミュラルノー2.0(FR)での出走も可能にしたのも、懐が広いと思う要素のひとつ。ただ、そのまんまじゃダメで、フラットボトムにしなくちゃなりませんけどね。レースこそやっていませんでしたが、国内にFRって意外に存在していて、そもそもFCJっていわれたアレ、FRでしたからね! オーガナイザーは頑なにオリジナルだと言い切ってましたけど。そういえば、一時期FCクラスとして、JAF-F4にFCJをフラットボトムにしたクルマを強引に走らせていましたけど、どこ行っちゃったんでしょうね。それはともかく、せっかくいっぱいあるFR、わざわざフラットボトムにしなくてもいいじゃない、って思っていたら、富士チャンのFCR-FCってクラスで、まんま出られるようになっていたのはビックリ。
もともと富士チャンにはFCR-Fとして08年までの旧レギュレーション、簡単にいうとアルミモノコックのクルマ限定のクラスがあったんですが、ここにくっつけちゃったと。もちろん、JAFの選手権はかからないレースですけど、F4は本当に懐が深い。改めて実感しました。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。