本来ならば、世間は大型連休であり、私もあちこちに飛び回っていたことでしょう。しかしながら……。今はこのコラムだけが仕事です(笑)。時間あり余っているので、仕事部屋の片付けが進む、進む! とはいえ、前のところから引っ越してから5年、放置しまくっていましたので、まだまだゴールは見えません。とはいえ、時間だけはたっぷりありますので、絶対ゴールにたどり着きます!
それにしても大型連休に出かけないっていうのは、たぶんこの仕事をしてから初めて。富士スピードウェイからの帰り道、大渋滞に遭遇しないだけでも精神衛生上、まぁいいのかなとも思いますけど、シーズンが始まってからこんなにサーキットに行かない日々が続くのは初めてなので、複雑な気分です。おそらく緊急事態宣言は5月6日で解除されないでしょうが、そもそも5月いっぱいはJAFから公認競技会の開催自粛令が出ているので、まぁ。
さてさて、以前にも紹介したサーキットトライアルの紹介を、またすることとします。どんなクルマでできるのかという。基本はド・ノーマルでも可能です。牽引フックの装着が義務づけられていますが、たとえばライセンス取得の条件を満たすため、1回きりの参加だったりする場合は、どうやら融通が効かされているようです。実際、どんなクルマであってもカバーで覆われていたりはしますが、どうあれ牽引フックは備えられていますからね。
基本はPN、B、AEクラスで、あと排気量別にクラスが分けられているのですが、電気自動車を対象としたAEクラスが成立したのは、私が知る限りではなく、ジムカーナやダートトライアルでおなじみのPNクラスも同様で。もっぱらBクラスなんです。
で、このBクラス。かなりモータースポーツに精通している方でも、馴染み深くないのでは。正確にはスピードB車両部門と言いますが、JAFの国内競技車両規則を見ても、「道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に適合した国土交通省認定車両で、第6章スピードB車両(B車両)規定に従った道路運送車両法による自動車登録番号標(車両番号標)を有し、運行の用に供することができる(自動車検査証の有効期間内)車両」とされ、この中にある「第6章」を見ても、書いてあるのは安全規定のみ。何をどこまでやっていいか、まったく記されていないんです。
そもそも昭和26年って、なんやねん(笑)。いつの時代だ……って思いますけど、サーキットトライアルを普及させようとした人は、この規定見っけた人は「やったね!」って思ったんじゃないでしょうか。今、各地のサーキットごとシリーズが設けられていますが、ほぼ共通規定なんです。その上でそこに記載されているのは「スピードB車両規定に従い、車検対応であればいかなる改造も認められたナンバーつき車両」と! 素晴らしい拡大解釈です。
常識の範囲でね、なんでもやってもいいから……とも解釈できます。実際、そうなんでしょう。そうなった背景には、いわゆる走行会があるようなんですね。これは公認競技会ではないので、自由な改造が許されるんですが、ある意味、自由すぎるというか。また主催者によっては十分なオフィシャルを配置していなかったり、ライセンス不要なので、持っている人なら知っていて当たり前の知識やマナーを欠いていたりすることが、残念ながらあるんだそうです。
それで、そういうことが我慢できなくなった方が、サーキットトライアルに移行してくると。JAFの公認競技会ですから、しっかり順位がついて記録にも残る。しかも、やりすぎは諌められるという公平さも、エントラントの皆さんに支持されている理由のようです。それでいてタイヤは、いわゆるストリートラジアルに限定されているのも愛おしいところ(笑)。
しかし、しかし、こうやって書いていると、取材したくてたまらなくなります。早く収束して! 開催自粛は5月いっぱいで、延長なしとなることを今は祈るばかりです。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。