STAY HOME生活も1か月が過ぎました。このコラムを書く以外に、仕事はまったくしていないので、仕事場の片付けは順調に進んでおります。けっこう綿密にやっているものですから、前の前の引っ越しから開けていないダンボールも解放された結果、いろんなものが発掘されております。その中のひとつが、この写真。富士スピードウェイのCコースを走る、山本真宏選手のサニーです。もちろんジムカーナの最中であります。
このクルマは現存しているので、実際に見た方も少なからずいるでしょうが、もはや競技中の写真って、かなり貴重だと思います。当時、写真はかなり撮っているんですけど、まだ編集部にいた頃で、その出版社が今はないもんで……。惜しい。たまたま自宅で作業をしようとして持ってきて、使わなかった写真だと思われます。実際、アドバンサニーの写真は、私自身もう1枚しか持っていません。それは、リクエストがあれば、いつか。
ただ映像に関しては、YouTubeで「86年 全日本 白糸スピードランド」と検索してみてください。見られるんですよ。で、ついでに「’82 全日本【富士Cパド】」もご覧になってください。山本選手がジェミニで最初に全日本を制した貴重な映像が見られるんですが、その舞台がCコースなんです。
あ、このタイトルでもCパドってなっていますが、通称だっていうのは、以前にも紹介したとおり実際に見てもらえばわかるでしょう。こんなに斜めになった、真ん中に島のあるパドックなんてありえないですから(笑)。もののついでに「ADVAN-MR2 1998」も。これは完全に全景が分かります。記憶よりも広いわ。ちなみに、この3映像は同じ人が上げているんですけど、こんな貴重な映像よく持っていたもんですね!
で、何が言いたいかっていうと、写真見てください。背景はパドックなんですけど、ガードレールがなくて、コースのすぐ脇で選手が走りを見つめているっていう。のちにガードレールが設けられたのは、「ADVAN-MR2 1998」の映像で確認できるんですけど、こんな条件であっても、当時は競技が行えたと。まぁ、コース設定次第だってことなんですよ。今、ジムカーナを主催するクラブは古参というか、大変な経験値を持っていらっしゃる。安全なコース設定というのを理解しているはず。当時だってそう。ジムカーナに関しては、重大なアクシデントは一切発生していませんでした。
さらに言いたいのは、やっぱ見てもらってナンボだということなんですよね。街の中の、ちょっと広めの駐車場、あるいは広場で「なんかやっているから、見てみようか」って。もちろん、全日本選手権や地方選手権じゃハードルは高いかもしれませんけど、それ未満の競技会に関しては敷居を下げてもいいような気がします。
改造範囲も狭くしていいかも。まずは排気量別、駆動方式別にクラスを分けた上で、競技用タイヤを履いていたら+○秒、足回りをいじっていたら+○秒、LSDを入れていたら+○秒、勝てそうなクルマにのっていたら+○秒とかしちゃう。で、最低ひとりは全日本ドライバーを招聘して、デモランやってもらってリアルのすごさを見てもらってね。
レースだってかつては禁断の扉と呼ばれた、ナンバーつき車両で走れるようになって、もはやそれが当たり前になっているのだし、もちろんジムカーナはナンバーつき車両が主体だけど、そのぐらいの荒療治が裾野には必要な気がしています。+○秒という係数が難しいところだけど、やってみなければ分からないし、勝てそうじゃないクルマの係数が緩いから、「あえて86ではやらない」なんて意見があってもいいでしょうし。逆に「ダンパーぐらいは交換した方が、やっぱり有利」ってぐらいの係数にすれば、ショップにもお金が落ちそうです。
な〜んてことを暇なんで考えてみました。JAFの要請で粛清期間が6月いっぱいまで伸びてしまい、いろんな意味で耐えられるか心配ではありますが、こうやって妄想できているうちは大丈夫だとも思っています。みんな頑張ろう!
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。