D1GPとフォーミュラDに参戦中の田口和也選手から、D1GPエビスのレポートが届きました。コース上での出来事を本人が細かく語ります。
--
この度、私 田口和也は【TeamUPGARAGE】として各スポンサー企業様のサポートのもと、D1GRAND PRIX Rd.5&6 エビスサーキット 南コース に参戦してまいりました。
D1GP Rd.5・6。最終戦を迎える前に行われるデュアルファイナルの会場は、例年通り 福島県 エビスサーキット。最終戦のお台場はシリーズランキング24位までの選手にだけ参加権利が与えられるため、非常に重要な2連戦となった。今回ももちろんDOSSを使った審査を行ったが、DOSSの設定に大きな変更があった。第一セクターは名物であるジャンプ。昨年の審査ではこのセクターの車速の高さが求められたが、今ラウンドは車速は計測せずに、角度の大きさを重要視した。続いて壁沿いから始まる第二セクター。ここでは振り出しの角度と区間内最高速度を測る。第二セクターで決めた大きな角度を戻すことなく、第三セクターを回り、振り返しの速さを計測する第四セクター。振り返しで大きな角度を決め、そのまま踏み抜いて第五セクターで終了。
Rd.4終了時点で自身のシリーズランキングは18位。重要な2連戦で結果を残すべく、前日入りし練習走行を行った。同月にD1エビスラウンドに向け走り込みを行っていたこともあり、順調な走りだし。ファイナルは3.7で4速でジャンプ、その後3速、2速、と落とし込み、第四セクターでシフトアップをし、3速ギアでフィニッシュをする。しかし、周回を繰り返し、車速感が上がってきたところでトラブルが起きた。第一セクターのジャンプ直前に左リアタイヤが脱輪。そのまま3輪でジャンプし、ブレーキローターで着地した。間一髪クラッシュは免れたが、ハブボルトはすべて折れ、アームは曲がり、ローターで着地したことによるミッションブロー。(駆動がロックし、ミッションのインプットシャフトが折れた)
足回りのスペアパーツは持っていたためすぐに修理ができたが、ミッションはスペア・スペアパーツがなかった為に、急遽、現地で見つけた25ミッション(スカイライン純正)をお借りし、載せ替え作業を行い、翌日の予選に備えた。
予選日。まずは15分間x2本の練習走行が設けられた。ここで初めてDOSSをマシンに搭載して走行することとなる。路面はウエット。
練習走行1本目、ミッション載せ替えによりギア比が大きく変わった。25ミッションは2速と3速のギア比がとても離れているために従来のファイナルギアを使用すると第一セクターで大きくパワーバンドを外してしまう。シフトポイント等を確認しつつ、練習走行2本目に向けてファイナルギアを3.7から4.1に変更した。練習走行2本目、ファイナル変更がとても良い方向に働いたものの、雨は弱まる方向。次第にコース上の水たまりは消え、ヘビーウエットからハーフウエットになっていった。
予選走行。34台中16台が翌日の決勝日に進むことができる。
予選1本目。まだ濡れている路面に気を付け、走行。全セクター難なくまとめたものの、第二セクターの振り出し角度が弱く、93.69点。通過ボーダーに乗せるためには第二セクターの大きな角変化が必要だと判断し、挑んだ予選2本目。路面はところどころ乾き始めてきた微妙な状況。予定通り第二セクターで大きな角変化を起こすも、リアタイヤのライン上のみドライ路面が待っていた。結果、大きくフラついた第三セクターに減点が入り、95.37点。惜しくも予選突破することができなかった。
予選順位19位
Rd.5決勝日が行われた後、夕方よりRd.6の予選が行われた。前日同様のセット、ギア比で挑んだ。Rd.5の決勝を通して例年とは大きく違うDOSS攻略を徹底して行った。Rd.5予選同様、34台中16台が翌日の決勝日に進むことができる。
路面は再びセミウエット。予選1本目、第二セクターの点数を大きく伸ばすべく、エビス名物である「ジャンプして繋げる」という走り方をやらなかった。第一セクター通過後すぐに車をまっすぐに戻し、第二セクターに再度振り直す。1本目は距離感が合わず、サイドブレーキでの距離調整が長くなり、95.96点。改善点は第二セクターの距離感だけ。2本目の走行を前にライン上が乾き始めていたので、1本目に比べ1台分近く振り出しを遅らせた。ところが車を運んだ先は見事に濡れており、1本目の走行とは真逆のコースアウト。得点は98.01点だったがコースアウト減点が-2.0点入り、96.01点。残念ながら2ラウンド連続予選敗退となった。
予選順位23位
Rd.5 予選19位
Rd.6 予選23位
非常に気合が入っていたデュアルファイナルエビスラウンドでしたが、トラブル、本番でのミス、めまぐるしく変わる路面状況にも対応しきれず、自分のリズムに持っていくことができなかった。チームの連携は十分に取れ、皆全力で戦ってくれましたがボク自身の実力不足に終わりました。ただ、シリーズ21位で最終戦お台場に出場することができますので、得意の特設コースで勝ちにこだわり戦って参ります。
応援の程、よろしくお願いいたします。
--
<田口和也選手 プロフィール>
1992年11月18日生まれ 24歳
身長:170cm 体重:55kg
東京都町田市在住
北海道恵庭市出身
日本自動車大学校卒業
アップガレージ本店勤務
Facebook / twitter / Instagram / Ameba Blog
<主な戦績>
2016年FormulaDriftJapan シリーズランキング第4位
JAF国内Aライセンス所持
<マシンの主なスペック>
マシン:NISSAN S15 SILVIA (UPGARAGE SILVIA S15)
エンジン:TOMEI GENESIS SR22DET
ミッション:繁原製作所シーケンシャル6速ミッション
オイル:PREMIUM JAPAN DELTA OIL
フットワーク:DG-5/MEGANRACING/wisefab
ホイール:WedsSport TC-105N
タイヤ:KENDA KR20A
エアロ:BN SPORTS
<チーム体制>
監督/スポッター:岩城 由悟
メカニック指揮:海老原 淳也(日本自動車大学校)
メカニックサポート:村沢 貴大(日本自動車大学校)
2016年7月からスタートしたエリアアグネスでは、カッコいいクルマやバイクの写真から、モータースポーツ、日常のカーライフまでさまざまな話題をお送りしています。編集部とは言いましたが、編集長不在、部員は1名です(笑)