スーパーGTも劇的な幕切れでしたが、サポートレースのFIA-F4もなかなか劇的でした。今週はちらっと小雨が降っただけで、全体的にいいお天気でした。やっぱり青空の下でのレースはいいですねぇ。残り5週間、この調子でお願いしたいもんです!
チャンピオン候補は3人に絞られ、ポイントリーダーの笹原右京が、宮田莉朋を13ポイント差、角田裕毅を47ポイント差で従えて挑んだ最終大会。予選ではベストタイム、セカンドタイムともに宮田がトップで、Wポールを獲得し、第13戦は笹原が澤田真治と角田を間に挟み、4番手から挑むこととなった。「練習とはコンディションが全然違っていて、思ったよりグリップしなくてびっくりしましたが、とりあえず2戦ともポールが獲れて良かったです。不安がないわけじゃないですが、とりあえず決勝は勝つことだけを心がけます」と宮田。
決勝ではスタート直後に、なんと笹原と角田が接触する波乱が! 幸い、走行に支障をきたすほどのダメージはなかったものの、笹原は7番手に、角田は9番手にまで順位を落としてしまう。これで予選5番手から大湯都史樹が2番手に浮上し、宮田を追いかけていったものの、4周目に入ってサスペンションにトラブルが発生し、無念のリタイアとなる。これで一気に楽になった宮田ながら、そのままアクセルを抑えることなく独走。これで今季4勝目をマークし、また笹原は5位でフィニッシュしたため、わずか2ポイント差ではあるものの、宮田がランキングトップに立つこととなった。
宮田の後方では、篠原拓郎と澤田による激しい2番手争いが繰り広げられたが、最後まで篠原がポジションをキープ。ふたりとも久々の表彰台を獲得した。4位は川合孝汰が、笹原のチャージをなんとかしのぎ抜いていた。
今季最後の戦いも、ポールポジションは宮田莉朋が獲得し、笹原右京は4番手に。その間に挟まれた澤田真治と大湯都史樹には、第13戦のリベンジが期待された。鋭いスタートを決めたのが澤田で、宮田は出遅れて大湯の先行をも許してしまう。そして、笹原は角田裕毅に3コーナーで抜かれ、5番手に後退。「走り始めてすぐ、左リヤのトーがおかしくなっているのが分かった」と笹原。まっすぐ走るのもままならぬ状態となっていた。
トップに立った澤田は、そのまま逃げたいところだが、大湯と宮田、そして角田がピタリと食らいついて離れず。それぞれに息詰まる時間が続いていく。しかし、10周目の90度コーナーで澤田のブレーキがロック。なんとかコースには留まったものの、ペースが鈍ったのを大湯は逃さずとらえた。3コーナーで大湯はトップに浮上。さらには4コーナーで角田も宮田に迫ったものの、勢い余ってダートに足を落としてしまう。これで勝負に決着が。大湯が今季3勝目をマークして意地を見せ、3位でゴールの宮田が2年連続で王座を獲得。「去年とは入る時から意識が違って、去年は守る立場で、今年は追いかける立場。でも、昨日の優勝によって、今日は笹原くんだけ意識して走りました。今日も前に出たい気持ちはありましたが、リタイアしてしまっては元も子もないですからね」と宮田。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。