早いもんで、もう12月ですよ。今年もあっという間に終わっちゃう〜。でも、ラスト3戦突っ走ります! 今週は富士からの速報お届けです。併催のアジアン・ル・マンシリーズは、ごめんなさい。たまには早く帰ってみたかったのさ!
初参戦の濱口弘がひとり1分45秒台に入れ、ポイントリーダーのTERUHIKO HAMANOにさえコンマ5秒の差をつける。決勝でのスタートダッシュは今ひとつで、HAMANO、そしてMOTOR MOUSEと1コーナーに3ワイドで飛び込むも、立ち上がりで濱口はしっかり前に出る。そこから先は完全にひとり舞台。逃げ続ける濱口とは対照的に、2番手争いが激しくなってHAMANO、MOTOR MOUSE、佐藤政宏、そしてFLYING RATが縦一列に連なっていく。この中で、まず動いたのがMOTOR MOUSEで、4周目のダンロップコーナー進入でHAMANOをかわして2番手に躍り出る。
視界の開けたMOTOR MOUSEも、そのまま振り切ることはできず、なおもHAMANOと佐藤とのバトルは続いていた。11周目の最終コーナーではHAMANOが2番手に順位を戻す。だが、次の周のコカコーラコーナーには3台並んで飛び込むも、HAMANOと佐藤が痛恨のコースアウト。佐藤はすぐに復帰なったが、HAMANOは7番手にまで後退してしまう。最終ラップにひとつ順位を上げたが、これで最終戦を前にHAMANOはポイントリーダーの座を、MOTOR MOUSEに明け渡してしまう。
そんな後続の波乱を尻目に、難なく逃げ切った濱口は「最初のうちに差をつけることができたので、後半は抑えて走りました。すごく楽しいクルマですが、できればバトルも楽しみたかったですね」と本音がポロリ。連勝の期待も込められることに。
第7戦に続いて濱口弘がポールポジションからのスタートとなり、2番手はMOTOR MOUSE。そして、6番手からTERUHIKO HAMANOが、どこまで追い上げてくるか? オープニングの1周だけで、濱口はMOTOR MOUSEに2秒以上の差をつける。そして、その後方には早くもHAMANOが。その差はコンマ7秒、なんとか前に出たいところ。しかし、HAMANOは近づくことを許されず、差は開いていく一方。そればかりか中盤からは佐藤政宏、永井秀貴の接近をも許してしまう。
その間にも濱口は逃げ続け、最後はほぼ9秒の差をつけてゴールしたばかりか、最終ラップにファステストラップを更新。「最後に出すのは、もちろん狙っていました。タイヤは途中セーブしたりして、最後まで残していたので。すっきり終われて良かったです」と濱口は、まさに貫禄の勝利を挙げていた。2位はMOTOR MOUSEが獲得し、シリーズチャンピオンも獲得。また、混走のCCS-Rクラスでは卜部治久が2連勝、両レースとも後続に大差をつけていた。
Special Thanks! K.Ikeda
今季初のポールポジションを平川亮が奪い、2番手は中山雄一と、チャンピオン経験者がフロントローに並んだ一方で、ランキングトップの関口雄飛はひどいアンダーステアに苦しみ、5番手に甘んじていた。ランキング2位の山下健太は3番手で、28ポイントの差はあるとはいえ、最終大会の今回はポイントが1.5倍とあって、決して予断が許される状態ではない。
しかし、そんな関口に思いがけず福音がもたらされる。スタート直後の1コーナーで、中山と山下が接触、これで中山がリタイアを喫し、山下も順位を落としていたのだ。これで関口は坪井翔に続く3番手に躍り出たばかりか、なんとトップを走っていた平川も、レクサスコーナーで突然失速、早々と2番手に浮上したのである。2周目の1コーナーでは坪井を仕留め、トップにも立った関口ながら、そのまま後続を振り切るまでには至らず。そればかりか、坪井、山下、そして石浦宏明の順で背後に着かれて、余裕がないのは明らかだった。だが、鉄壁のガードで最後までトップを死守して3勝目をマーク。その結果、最終戦を待たずして、チャンピオン獲得が決定した。なお、山下は3位でゴールしたが、スタート直後の接触に対し、30秒加算のペナルティが課せられたため、7位に降格。繰り上がって石浦が3位に。また、平川は燃料ポンプのトラブルで、6周目の最終コーナーでマシンを止めたため、最終戦の出走は許されなかった。
Special Thanks! K.Ikeda
第7戦の決勝順位が、そのまま第8戦のグリッド順となるため、ポールポジションは関口雄飛が獲得し、坪井翔、山下健太(第7戦のペナルティ審議前だったため)、石浦宏明の順でスタートが切られることに。今度はクリーンスタートが切られ、それぞれポジションキープでのレース開始となった。2周目の1コーナーで、トップの関口には坪井が激しく迫るも、固いガードに阻まれて逆転ならず。その後も、関口、坪井、山下、石浦、そしてロニー・クインタレッリのトレイン状態で周回が重ねられていく。
中盤に差し掛かって、ついに動いたのが山下だった。6周目のダンロップコーナーで坪井をかわして2番手に浮上。山下は続いて関口にも迫っていくが、そのつど鉄壁のガードで逆転は許されず。関口はポール・トゥ・ウィンで、すでに決めていたチャンピオンに華を添えることとなった。
「予選まではすごく苦労して、でも決勝までにメカニックのみんなが頑張ってくれました。完全にはアンダーステアの傾向は消えていなかったんですが、全体のペースが遅かったんで。あのペースだから抑えきれたけど、単独だったら、どうにもならなかったでしょうね。なかなか厳しいレースでしたが、見てくれた人たちには、すごく喜んでもらえたレースだと思います」と関口。
チャンピオンを決めた関口(右)と黒澤監督
混走のCCS-Rレースでは片岡龍也が2連勝で、チャンピオンも獲得。「シリーズ戦だったこともさっき知ったぐらいで、まさかチャンピオンだなんて(笑)。クルマは予選で1秒も差をつけられたぐらい、完璧に決まりましたし、僕もだいぶ走らせ方を理解したのが大きかったんでしょうね」と喜び全開で語っていた。
CCS-Rクラスは2連勝の片岡が王座を獲得(Special Thanks! K.Ikeda)
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。