素晴らしい天気と、グリッドに52台ものマシンが並んだ様子は、圧巻の一言だったスーパー耐久なんですけど、スタンドがねぇ……。なかなか面白いレースだったと思うんだけど、人気は正直言って今ひとつ。N1耐久って呼ばれていた頃は、それなりに入ったんですけど。何が足りないのかな? そんなスーパー耐久のレポートは(https://supertaikyu.com/topics/9087/)でどうぞ。86/BRZレースのレポートを今回はお届け!
「あれでも引っかかっているんですよ」と語りながらも、ひとり2分30秒台に乗せて阪口良平がポールポジションを獲得。今年からフル参戦となる新鋭、菅沼冬悟が2番手につけ、3番手は大西隆生が獲得する。
決勝では菅沼がスタートを決めて阪口を抑えるが、より鋭いダッシュを見せていたのが、予選5番手だった織戸学で一気に3番手にまで浮上する。だが、阪口は菅沼に少しも遅れず、早々と勝負を仕掛けていくのは誰の目にも明らかだった。しかし、そこにチャンスが生じると呼んでいたのが織戸だった。「ちょっとだけ間隔を置いて、絶対にあのふたりに何か起こると。そしたら、やっぱり」と織戸。オープニングラップのシケインで、阪口は菅沼のインを刺したものの、行き場をなくしてしまい……。菅沼は2番手に踏み留まったものの、阪口は6番手に後退、そしてトップに立ったのが誰あろう、織戸だった。だが、逃げ切るまでには至らず、菅沼と蒲生尚弥を背後に起き続けたものの、辛くも逃げ切り成功。「いろんなことがあったからね、もう意地で勝ったようなもの!」と、久々の勝利に喜んでいた。阪口は、久保凛太郎に続く5位でゴール。
ゼッケン0を誇らしげにつけた、昨年のチャンピオン神谷裕幸がポールポジション。アタック中に赤旗が出て、せっかくの激走が水の泡となるも、再開後にしっかりトップタイムをマークした。「もちろん、納得のタイムではないですが、ポールだったので良しとします。まわりの人がどういうレースするのか分からないので、ちょっと決勝には不安もあるんですが、まぁ早い段階で逃げてしまえば大丈夫でしょう」と神谷。その背後につけるのは、松田利之と久保直也、そして86/BRZレース帰り新参の水谷大介だった。
宣言どおり神谷はスタートを決めて、早々と独走態勢に。その後方で松田と水谷が激しくやり合っていたことも、助け舟となっていた。一方、水谷はシケインで2番手に浮上するも、その時すでに神谷は2秒以上前を走行。そのまま逃げ切るかと思われた神谷だが、好事魔多し。4周目の1コーナーでオイルに足を取られてオーバーラン、その間に水谷の逆転を許してしまう。だが、神谷は冷静だった。次の周の1コーナーで、すぐ水谷を抜き返したのだ。再逆転を狙った水谷にとって不運だったのは、6周目のシケインでストップ車両があって、セーフティカーが入ってしまったこと。残り3周にバトルの機会を与えられず、そのままチェッカーが振られたからだ。「最初のうちは後ろに合わせる余裕もあったんですが、オイル旗は砂だと思っていたんですよ。そうしたら本当にオイルで(笑)。すぐに抜き返せましたが、SCは余計でしたね」と神谷。水谷に次ぐ3位は、86/BRZレース初挑戦の中島佑弥が獲得した。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。