スーパーGTが始まりましたよ〜。まぁ、天気には翻弄され尽くしましたけどね。雨は降るは、一時雹も降ったし、何より寒かったぁ……。ホント、現場で見ていたお客さんには、頭の下がる思いです。その分、いいレース見られたから、良しとしてくださいね。で、今回はFIA-F4の2戦をレポートします。
予選はセミウェットの状態からスタートし、ほぼ全車がドライタイヤで走行。後半にコンディションが向上するのは明らかだったが、二度の赤旗中断でアタックのタイミングを逸するドライバーが続出してしまう。そんな中、ベストタイム、セカンドベストタイムともにトップだったのは、大本命の呼び声も高い角田裕毅。2番手、3番手も2戦とも細田輝龍と名取鉄平が獲得する。
第1戦のスタートをそつなく決めたのは細田で、角田をも抑えてホールショットに成功。しかし角田だけでなく、好スタートを切った予選4番手の大滝拓也、そしてひとつ順位を落とした名取もピタリと食らいついていく。ところが、オープニングラップのアトウッドで、思いがけぬアクシデントが発生する。なんと大滝が角田に追突! コントロールを失ってコースアウトした角田は復帰できず、早々に戦列を離れてしまったのだ。その間に名取が2番手に浮上し、後続との差も広げる格好に。まさに細田の一騎討ちとした名取は、ワンチャンスを見逃さず。11周目のヘアピンでインを刺すと、そこから先はじわじわと差を広げて行くこととなった。「スタートはあんまり良くなくて、ひとつ順位を落としたんですが、先輩たち(角田と大滝)に着いていって、まずは勉強を……と思っていたら、ああいうことになってしまって。なかなか抜けませんでしたが、チャンスがやってきて良かったです。正直、運もありましたが、これで一気に流れをつかめたら!」と語る名取が、初のフル参戦となる初戦で初優勝。一方、細田は終盤に澤田真治の猛追は受けるも、辛くも振り切ることに成功。初めての表彰台をゲットした。
「気持ちは入れ替えられました。まぁ、完璧にではなかったですが、走っているうちに」と語るのは、もちろん角田裕毅だ。またしても細田輝龍が好スタートを切ったものの、今度はトップを譲らず。すると、いきなり1周目だけで1秒7の差をつけ、スタンド前に戻ってくる。予選と決勝2戦を1セットのタイヤで戦わなければならないから、逆に第1戦で1周走り切ることなくタイヤを温存できたメリットはあるにせよ、ペースは桁違い。ファステストラップの連発で細田を早々に引き離し、最後は15周で16秒差の圧勝となった。「タイヤが残っているという以上の、速さをまわりに見せつけたかった」とも角田。
2位は再び細田が獲得。序盤には名取鉄平、澤田真治、金澤力也の接近を許したものの、やがて振り切ることに。逆にペースが思うように上がらなかったのが名取で、11周目のヘアピンで澤田に仕留められてしまう。「何が悪かったのか、分かっているつもりなので、次回までには」と名取。一方、細田と澤田は連続で表彰台へ。この安定感は果たして今後に活かされるか?
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。