先週のSUGO、レース終わった頃は元気でした。もちろん無事に自走して帰宅できました。遅い時間にサーキットを出たもんですから、東北道も全然渋滞なく。そこまでは良かったんです。次の日、起きられない。もう、クタクタで……。疲れが取れなくて、そんなのが二日続いたもんですから、流石に整体行ってメンテナンスしてきました。さすがに富士の帰りは……。
早朝まで降り続いていた雨が残ったばかりか、徐々に霧に覆われるようになった予選は、案の定、視界不良で残り10分に赤旗が出され、そのまま終了に。そんな難しい状況において、Wポールを奪ったのが角田裕毅だった。「最初のうちは自分もミスが多かったし、最後の2周でやっとタイムが出た感じです。走りの内容には満足していませんが、ポールが獲れて良かった」と、一安心の様子。第3戦は2番手を平木玲次が、3番手を名取鉄平が獲得する。
決勝では名取が好スタートを切って、1コーナーには角田に続いて進入。先行を許した平木は、2周目のコカコーラコーナーで小高一斗にもかわされていた。一方、トップは完全に角田と名取の一騎討ちで争われ、ともにミスなく走って隙を一切見せず。最後まで緊張感漂うバトルが繰り広げられたが、最後まで角田は名取の逆転を許さなかった。「本当は逃げるつもりでしたが、できなかったのでミスなく走ることを心がけました」と角田。続いてゴールした小高も単独走行となった一方で、最後まで激しく繰り広げられていたのが平木、そして川合孝汰による4番手争いで、10周目に順位を入れ替えた川合が辛くも逃げ切りを果たしている。
先に幕を開けた関西シリーズでは負けなしの、峯幸弘が予選A組のトップを奪うも、コンディションはB組の方が明らかに良かったようだ。峯をコンマ2秒上回ってB組トップの黒田保男が、実に2年ぶりのポールポジションを獲得。「前に獲った時はポール・トゥ・2位(笑)。ピットで隣り合った人と『スリップ使い合います?』って話をして、先に使ってもらって、僕が後から。しかし、嬉しいなぁ、(PP獲得による)1点は大きいですよ」と黒田。一方、「ラバーがびっしり。それも悪いのが。昨日の練習とはすごくコンディションが違っていました。B組の時にはかなり削げちゃったんでしょうね。まぁ、フロントローですからね。やっぱり富士のレースは楽しいですね」とほくそ笑むのは峯だ。
決勝では3番手スタートの北田和哉が絶妙のダッシュを決めて、1コーナーまでにトップに浮上。1周目を終える直前には独走体制に持ち込んだかと思われた北田ながら、まずそうはさせてくれなかったのが峯だった。2周目のダンロップコーナーで逆転を許し、さらに黒田もピタリと背後に。そのまま3台でのバトルが続くものと思われたが、4周目の北田の後退により、トップ争いはその前の周にトップに立った、黒田と峯の一騎討ちに転じることとなる。最後までコンマ差の争いで、黒田にパッシングまでしてプレッシャーをかけた峯ながら逆転は許されず。「セクター3で少し離されたのと、1コーナーで刺そうと思ったのに、追い風でリミッターが当たっちゃったのが誤算でした」と峯。
「嬉しいです〜。何せ3年ぶりの優勝ですからね! だけど、プレッシャーきつい。離れていても、近くに見えましたよ」と黒田。マシンを降りると号泣し、まさに涙のポール・トゥ・ウィンとなった。一時は5番手まで後退した北田が、ラスト3周で大西隆生とCandy武川を抜き返して、3位を獲得した。
第4戦でポールシッターの角田裕毅に続いたのは名取鉄平、金澤力也、川合孝汰、そして小高一斗。決勝では名取が好スタートを切ったが、角田は逆転を許さず。そして川合が3番手に浮上する。またしても角田と名取による一騎討ちとなるかと思われたが、やがて加わってきたのが川合だった。ところが、これは角田の作戦の範疇。最も手強いチームメイトを振り切るために、手札を投入した格好だ。
案の定、名取は河合の防戦に手いっぱいとなり、その間に角田は一気にスパートをかけて差をつけることに成功。逆に2番手争いは、いったんは差を広げられていた小高、そして菅波冬悟も加え、12周目の1コーナーでは4台が横一列に。この攻防に勝ったのは小高で2番手に浮上、名取、菅波の順で続き、川合は2コーナーのオーバーランで6番手に後退してしまう。最終ラップの1コーナーで名取は菅波にかわされたばかりか、ヘアピンで川合にも抜かれ、さらに序盤の接触に対してペナルティを課せられ、さらに大きく順位を落としていた。3位の菅波は予選10番手からのジャンプアップに成功。
「序盤は僕も苦しくて、そのままでは厳しかったので、早く後ろが来ないかなと。それで1コーナーのブレーキングとかでタイミングをずらして、ごちゃごちゃになって混戦になれば、きっと離せるだろうと。本当は自分の実力で勝ちたかったから、本気で喜べませんが」と角田は語るが、頭脳プレイを見せたあたり、伊達に3連勝しているわけではないのは明らかだ。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。