タイムスケジュールをあらかじめ見て、「これは相当つらそうだな」と思っていたんですが、いざ始まってみると予想をはるかに超えた地獄でした。ギチギチびっしりの上に、決勝はなんだかエキサイトしすぎてSCや赤旗の連発! アベレージが高い鈴鹿で、しかも最終戦で台数が多かったせいなのかもしれませんが、まぁ……。スケジュール押しまくりの週末でした。なお、来週の速報はお休みで、年内もう1本だけ速報お届けします。
2003年から歴史を重ねてきた、初代の通称FE1にとっては、これがラストレース。激しいトップ争いが繰り広げられたが、その最中にシケインで接触があり、コース上でストップした車両が。ラスト2周はSCの先導の中、バトルレスでチェッカーが振られ、富永明が最後のウィナーに輝くこととなった。
一方、これからも続いていくFE2は大崎達也がポール・トウ・ウィン。6戦6勝のパーフェクトを達成することとなった。SCが入るまでに5秒以上も後続を引き離していた。「全部勝てて良かったです。来年はスーパー耐久を予定しています」と大崎。2位は久々のスプリントレース出場となった坂直純が獲得するも、「レースは怖い。見ている方が楽しいです」と苦笑いしつつ語っていた。3位は辰巳秀一が獲得した。
FIT 1.5チャレンジカップ
ランキングトップの伊藤裕士がポールポジションを獲得。2番手には連覇を狙うランキング2位のHIROBONがつけるも、10ポイントの差があるため、「HIROBONに勝たれても、2位でゴールすればいいので。今までシビックもインテグラも、もちろんFITもチャンピオンには縁がなくてね。今年こそスッキリしたい(笑)」と語っていた伊藤だったのだが……。
決勝ではスタートを決めて、HIROBONを抑えて1周目を終えた伊藤だったが、ダンロップコーナーで2台が止まるアクシデントがあり、赤旗が出されてしまう。再開後には負の連鎖か、シケインで伊藤が後続車両の追突を食らい、ダメージは足回りに及んでピットでリタイア。「僕はつくづくチャンピオンに縁がない!」と伊藤は肩を落とす。
そのアクシデントでHIROBONがトップに立つも、実はとばっちりも受けており、リヤバンパーが外れかかっていた。走行には支障はなくても、抵抗になっているのは明らか。2番手に浮上した寺西玲央が執拗なまでに迫っていくが、HIROBONは少しも隙を見せず。コンマ7秒差で逃げ切って3連勝、そして3連覇を達成したものの、「気持ちよく終われなかったので、ちょっと残念」とは紛れもない本音であろう。3位は太田侑弥が獲得した。
F4日本一決定戦
今年は20台のエントリーがあったF4の日本一決定戦。FIA-F4で全勝トリオ、佐藤蓮と三宅淳詞、太田格之進が揃って姿を見せ、誰が今季最後の主役になるのか注目された。予選では、佐藤のドライブシャフトが破損。ピットで修復される間に、アクシデントの発生によって赤旗が出されたことで時間が延長される。これで1周だけアタックを許された佐藤は、4番手に浮上する。一方、ポールポジションは太田が獲得したが、三宅は5番手に。割って入って2番手はスーパー耐久ST-3チャンピオンで、SRS-Formulaで修行していた大草りき。3番手には久々登場の鈴木智之がつけることに。
セミファイナルでは、予選8番手でシリーズチャンピオンの徳升広平がデグナーでクラッシュ。即座にSCが導入される。その時、トップに立っていたのは大草。スタートで太田をかわしていたのだ。SCは2周でコースを離れ、リスタートも決めた大草がトップを守るも、太田と佐藤がピタリ食らいついて離れず。6周目のシケインで喫した大草のシフトミスを、太田が逃さずとらえて1コーナーでトップを奪還。大草は佐藤の追撃はかわして、まずは2位でゴールした。
ファイナルをポールからスタートした太田は、今度こそトップを譲らずレースを開始。そして再び大草、佐藤との三つ巴のトップ争いを繰り広げる。だが、それも2周目まで。3周目には一気にペースを上げた太田が逃げ始め、そしてシケインでは佐藤が大草を抜いて2番手に。5周目に大草との差を広げた佐藤は、すでに太田との差が2秒以上に広がっていたものの、少しでも縮めようとプッシュ。が、それを察した太田もペースを上げて接近を許さず。最後はより差を広げることとなって、今季最後のレースを制することとなった。
「自分のタイムは常に意識して、(佐藤が)近づいてきたら、さらに引き離すことを心がけていました」と太田。さて、気になる来季ながら太田も佐藤も「まだ決まっていないんですよ」と語るばかり。ただし、揃って「楽しみにしてもらっていいんじゃないかと思います」とも。