SUPER GTはツーリングカーレースの国内最高峰レース。市販車を改造したレーシングカーで争います。“市販車を改造”といっても、面影の残る外装だけが元のかたちを保っていますが、中身は完全に“レースをするために作られたパーツ”で構成されています。
SUPER GTは、1994年に“全日本GT選手権”としてスタートし、2005年から名称が“SUPER GT”に変わりました。参加台数も観客数も伸びていていて、今いちばんアツいモータースポーツのひとつと言えるでしょう。
基本的で“そもそも”なレギュレーション(ルール)を規則と照らし合わせながら確認してみます。
レース距離は、SUPER GTのレギュレーションの中に規定があり「レースの走行距離は、最短250kmから最長1000kmを超えた最初の周回まで」(規則第6条2項)となっています。
シリーズ最長距離となる鈴鹿1000kmレースを例にとると、鈴鹿サーキットは1周=5.807kmなので、1000km÷5.807km=172.206周になります。172周では少し足りないので、173周が既定の周回数となります。
各レースにおける走行距離は、各レースを運営する大会組織が規定によって申請する。
距離や周回数に関して500クラスと300クラスを分ける規定はなく、単純に速さの違いでレース終了までの走行距離=周回数に差が出ます。
鈴鹿の例でいうと、500クラスの1位が規定の173周を走り切ったとき、つまりレースが終了したとき300クラスの1位は161周でした。レース中のラップタイムの差を見ると、500クラス=1’51.014(優勝車のベストタイム)300クラス=2’01.301(18号車のベストタイム)で、1周あたり約10秒の差があり、これが積み重なって12周の開きが出ます。
レースは当然ながら順位が付きますが、規定では「第1位の車両は、規程距離を最短時間で走破した車両」(第40条1項)となっています。つまりは1番先にゴールしたクルマということ。2位以降は「それぞれ達成した周回数の多い順」また同一周回数の場合は「フィニッシュライン通過順」で決まります。この順位でシリーズポイントが付き、年間チャンピオンが決まります。
順位が付かない、つまり完走と認められないケースについては「走行周回数がクラスの優勝車両の走行周回数の70%(小数点以下切捨)に達しない車両は順位の認定を受けられない」(第40条2項)と決められています。
再び鈴鹿を例にとると、300クラスの1位は161周走っているので、その70%は112.7周、小数点以下は切り捨てだから112周走っていれば順位が付く=完走ということになります。
SUPER GTは順位により次のポイントが毎レースごとに与えられます。
▼得点基準表(得点下段はレース距離が700km以上の場合)
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
20 | 15 | 11 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
25 | 18 | 13 | 10 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 |
▼各決勝レースの走行ラップによる得点
GT500
トップ車両、およびトップ車両と同一周回完走車 | 3 |
トップ車両に1ラップ遅れの完走車 | 2 |
トップ車両に2ラップ以上遅れの完走車 | 1 |
GT300
トップ車両、トップ車両と同一周回またはトップ車両に1ラップ遅れの完走車 | 3 |
トップ車両に2ラップ以上遅れの完走車 | 1 |
年間の順位は1点差で入れ替わることも大いにあるので、完走の1点も大きな意味を持っています。
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