メインレースのF3が4レースもさることながら、2日間で10レースは辛い。と思ったら、今週末の富士チャンは2日間で13レースだわ。毎週、毎週死ねますわ。それにしても、三度目の正直で、F3の第9戦やっと行われました! 良かった、良かった。
今季3度目の出場となった小山美姫が、2度目の出場となる鈴木宏和をコンマ1秒差で従えてポールポジションを獲得。「昨日の練習では、鈴木さんにコンマ5秒ぐらい離されていたから、今日は会心の走りができたので、上回ることができました」と小山。決勝でも、このふたりで激しくトップが競われたものの、最後まで小山は鈴木の逆転を許さず。小山は「(鈴木の)ストレートが速いのは想定内だったので、ブロックしまくりました」と語っていた。3位は阿久津敏寿が獲得。
開始早々に赤旗が出て、その際に見落としがあったことでトップタイムを記していた、本多永一に2グリッド降格のペナルティが。繰り上がって初のポールポジションを阿部拓馬が獲得し、古田岬が続くこととなった。決勝ではスタートを決めた本多が、古田をかわして2番手に浮上。2周目からは阿部と本多の激しい一騎討ちとなった。なかなか隙を見せない阿部ではあったが、終盤には本多のペースが上回るように。7周目には1コーナーから3コーナーまで並ぶも、前には出られなかった本多ながら、最終ラップは3コーナーで縁石を跨ぎながら踏ん張り、続くヘアピンで待望のトップに立って2勝目をマーク。そしてシリーズチャンピオンも決定した。「北日本シリーズは2戦ぐらい出るつもりだったんですが、調子がいいのでずっと出て。(ホームの)西日本シリーズも最後、頑張ります」と本多。3位は古田が獲得した。
金井亮忠が予選で2番手に1秒以上の差をつけ、ポールポジションを獲得。岡島秀章、ハンマー伊澤、伊藤裕仁の順で続く。決勝では金井がトップで1コーナーに飛び込み、好スタートを切った伊藤が2番手に浮上。しかし、金井はオープニングの1周だけで2秒半の差をつけ、そのまま難なく逃げ続けて、ほぼ20秒差の圧勝となった。「最後、雨がポツポツ来て、滑るまでではなかったんですが、気にはなりましたね」と金井。伊藤も単独走行となった一方で、最後まで激しいバトルを続けたのが岡島と伊澤。少しも離れず続いた伊澤だったものの、最後まで岡島は隙を見せてはくれなかった。
第5戦のベストラップ順に第6戦のグリッドが決まるため、再び金井亮忠がポールポジションに着いて、2番手は伊藤裕仁で、3番手はハンマー伊澤。ウェットコンディションの中、スタートを決めた金井は、その後一度も後続のプレッシャーを受けることなく独走。12周のレースで、ほぼ50秒の差をつけることとなった。2位は伊藤で、またしてもスタートで伊澤の前に出た、岡島秀章が激しいバトルを繰り広げた。しかし、僅差で続いたものの、岡島は最後まで伊澤の逆転を許さなかった。
「コンディションが良くなっていったという感覚は、あんまりなかったですが、ベストタイムは最後に出せました。ポイントトップになったからには残り1戦、誰が来ようとも必ず獲ります」と金井。
松谷明男がポールポジションを獲得し、2番手は大友裕一郎。予選同様、ウェットコンディションとなった決勝では、スタートから松谷が逃げて、後続を一切寄せつけなかった。その一方で大友、川崎俊英による2番手争いが激しく、何度もポジションを入れ替えあったものの、最後に笑ったのは川崎だった。
「昔、シビックやインテグラのレースをやっていて、復帰2戦目です。このクルマに乗るのも2回目なので、何が良くて速かったのか分からないけど、まぁ勝てて良かったです」と松谷。
一方、混走のパーティレースNCクラスでは、神尊晴幹と松浦俊一に夜激しいトップ争いが繰り広げられたが、決着はラスト2周の最終コーナーで神尊がコースアウトしてつくことに。
「根負けしなかったのが、いちばんの勝因です。プレッシャーもすごかったので」と松浦が言えば、チャンピオンを決めたこともあり、神尊は「嬉しくて、悔しいです」と語っていた。
「FITでポールは初めてです。こういうコンディションは得意なので、決勝もできれば、このままで」と語る、横田剛に続いたのは中村義彦。3番手には太田侑弥がついた一方で、ポイントリーダーの塩谷烈州は、寺岡亮に続く5番手に甘んじてしまう。決勝は横田の願ったコンディションで争われたが、中村がピタリと食らいついて離れず。そして、最終ラップの1コーナーで逆転を果たし、中村が今季初優勝を飾ることになった。
「久しぶりの優勝。確か4年前のSUGOで。最初から狙っていたんですが、なかなかチャンスがなくて。思い切って行ってみました」と中村。
モータースポーツジャーナリスト。大学在籍時からモータースポーツ雑誌編集部に加わり、90年からフリーランスに転身。以来、国内レースを精力的に取材。本当に力を入れたいのは、非メジャー系レース。特にエントリーフォーミュラのスーパーFJに関しては右に出る者はいないが、並ぼうとする者もいないのが悩みの種?スーパーGT(主にGT300)とスーパー耐久は全戦取材を予定。6月14日生まれ、東京都出身。